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重症薬疹の発症に関連する因子の解析研究

重症薬疹発症と相関するHLA型及び遺伝子多型に関する研究論文

カルバマゼピン

抗てんかん薬

Genetic susceptibility to carbamazepine-induced cutaneous adverse drug reactions. Hung SI et al., Pharmacogenet. Genomics, 16, 297-306 (2006)

人種

台湾人(漢民族)

方法

カルバマゼピンによる重症薬疹患者91名{Stevens-Johnson症候群・中毒性表皮壊死(SJS/TEN)患者60名、過敏症患者13名、紅斑丘疹(MPE)患者18名}およびコントロール患者(カルバマゼピンを3ヶ月以上飲んでも薬疹発症なし)144人につき、MHC領域および薬物代謝関連遺伝子の278種の多型につき、MALDI-TOF MSにてタイピングした。またHLA-A, -B, -C, -DRB1型のタイピングはシーケンス解析等により決定した。

結果

症状により相関する遺伝子マーカーは異なった。

a)    SJS/TEN患者:HLA-B*1502との相関が確認された。コントロール患者に対するオッズ比は1,357、補正後のP値は1.6 x 10##であった。
b)    MPE患者:HLA-E領域の遺伝子多型およびHLA-A*3101との相関が認められた。コントロール患者に対するオッズ比は17.5、補正後のP値は2.2 x 10##であった。
c)    過敏症患者:MHC-class II領域にあるmotilin遺伝子の多型と相関が認められた。コントロール患者に対するオッズ比は7.11、補正後のP値は0.0064であった。

薬物代謝酵素遺伝子の多型との相関は認められなかった。

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