第二室

スタッフ
室長 齊藤 公亮 Saito Kosuke
主任研究官 橋本 晨(孫 雨晨) Hashimoto Aki (Sun Yuchen)
主任研究官 薄田 健史 Susukida Takeshi
研究補助員 石川 リカ Ishikawa Rika
研究補助員 樅山 利子 Momiyama Toshiko

業務紹介

第二室は、医薬品及び再生医療等製品の安全性確保を目的とした、医薬品の体内動態評価法やその他の化学物質との相互作用の評価法、安全性等の指標となるバイオマーカーの分析法等に関する開発及び標準化、これらの評価結果と臨床情報との薬剤疫学的な関連性解析研究を担う研究室です。実験的アプローチと情報解析的アプローチを両輪として、医薬品の安全性の観点から、医薬品開発の効率化及び市販後安全性の確保に資する科学的知見の創出に取り組んでいます。また、それらの知見の標準化や普遍化を推進し、ガイドラインの策定や国際標準化への展開を目指しています。

  1. 医薬品の体内動態評価法の開発と標準化

    医薬品の体内動態、すなわち医薬品がどこにどれだけ移行するかは、有効性だけでなく安全性を評価する上で重要な基盤情報です。特に昨今は、新規モダリティと総称される医薬品の開発が活発化していますが、これらの医薬品は従来の医薬品とは構造特性が異なるため、適切な体内動態評価法が確立されていません。そこで弊室では、核酸医薬品やペプチド医薬品を中心として、体内動態評価法の開発と標準化を行い、医薬品開発の基盤構築と支援を行っています。並行して、業界団体や規制当局と協力してこれらの分析法性能の検証とその要求水準に関する議論を主導し、国内での意見集約及び国際標準化にも取り組んでいます。

  2. 医薬品及びその他化学物質と相互作用評価法の開発と標準化

    医薬品は相互作用により、効果が減弱したり、作用が強くなりすぎて有害作用が出たりします。低分子医薬品間での相互作用の評価は国際標準化されていますが、食品との相互作用、あるいは昨今開発されている新規モダリティとの相互作用は評価法が未整備です。食品との相互作用については、情報収集とその実験的検証を通して、データーベースの構築を開始しました。また、新規モダリティの1種である中分子ペプチドについては、低分子医薬品と同様の相互作用評価が必要なことを明らかにしました。今後は中分子ペプチド以外の新規モダリティ医薬品についても、相互作用評価法の開発と標準化を進めていきます。

  3. 安全性等の指標となるバイオマーカーの分析法の開発と標準化

    医薬品開発において、安全性プロファイルを明確にすることは非常に重要であり、プロファイルの網羅性を向上させるために、安全性バイオマーカーの活用が進められています。また、安全性バイオマーカーは市販後における有害事象の早期診断や回避にも有用です。そこで弊室では、医薬品による重篤副作用を対象に安全性の指標となるバイオマーカーの探索及び検証を行っています。並行して、バイオマーカーは生体中に存在する分子のため、当該バイオマーカーを適切に測定できる分析法の構築も行っています。さらに、安全性だけでなく、医薬品相互作用や薬効の指標となるバイオマーカーの分析法の開発と標準化も進めています。

  4. 体内動態、相互作用、バイオマーカーと臨床情報との薬剤疫学的関連解析

    薬剤疫学研究は、大規模な服薬状況や背景因子等の臨床情報を基に、医薬品の有効性や安全性の評価を行う研究です。薬剤疫学で検出された新たな副作用リスクや特定の患者集団で認められる影響について、1~3で構築した評価法や分析法により、実験的な検証を行っています。並行して、体内動態、相互作用、バイオマーカー変動と臨床情報との関連解析を行い、医薬品を利用する上でのリスク因子の探索も行っています。

【今後の展望】
現代社会において、医薬品は疾病の治療や症状の軽減、さらには生活の質(QOL)の向上に不可欠な存在となっています。その一方で、医薬品は強い作用を有し、投与量が過剰な場合や、体質が合わない場合は有害作用を引き起すため、安全性を確保することが非常に重要です。弊室では、複雑化する医薬品に対し、適切な安全対策に貢献できるよう、実験的アプローチと情報解析的アプローチを両輪として、国の試験研究機関として求められる実効性と信頼性の高い研究成果の創出に貢献していきます。

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