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重症薬疹の発症に関連する因子の解析研究

重症薬疹発症と相関するHLA型及び遺伝子多型に関する研究論文

カルバマゼピン

抗てんかん薬

A marker for Stevens-Johnson syndrome. Chung WH et al., Nature, 428, 486 (2004)

人種

台湾人(漢民族)

方法

カルバマゼピンによるStevens-Johnson症候群(SJS)患者44名、コントロール患者(カルバマゼピンを3ヶ月以上飲んでも副作用なし)101人、及び健常人93人につき、シトクロムP450の157種の多型につき、MALDI-TOF MSにてタイピングした。またHLA-A, -B, -C, -DRB1型のタイピングはReverse lineblot法またはシーケンス配列解析により行った。

結果

シトクロムP450の多型との相関は見られなかった。

HLA領域では、

HLA-B*1502 {SJS患者での保有率100%(44/44)、コントロール患者は3%(3/101)、健常人は8.6%(8/93); SJS患者のオッズ比や補正後のP値は、それぞれコントロール患者に対して2,504と3.13 x 10-27、健常人に対して895と1.38 x 10-21}、
HLA-Cw*0801 {SJS患者での保有率93.2%(41/44)、コントロール患者は16.8%(17/101)、健常人は14%(13/93)}、
HLA-A*1101 {SJS患者での保有率81.8%(36/44)、コントロール患者は50.5%(51/101)、健常人は57%(53/93)}、
HLA-DRB1*1202 {SJS患者での保有率75%(33/44)、コントロール患者は11.9%(12/101)、健常人は19.4%(18/93)}

と強く相関していた。これらはハプロタイプを形成している。

結論

漢民族では、HLA-B*1502等は、カルバマゼピンによるStevens-Johnson症候群発症と強く相関していることが示唆された。

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