重症薬疹の発症に関連する因子の解析研究
重症薬疹発症と相関するHLA型及び遺伝子多型に関する研究論文
カルバマゼピン
抗てんかん薬
TNFa promoter region gene polymorphisms in carbamazepine-hypersensitive patients.
Pirmohamed M et al., Neurology, 56, 890-896 (2001)
人種
主として白人{薬疹患者のうち3名はタイ(ハーフ)、インド、イエメン人。健常人のうち2名はインド人}。
方法
カルバマゼピンによる重症過敏症(発熱、肝炎、SJS/TEN等)患者23名、軽症過敏症(発熱や好酸球増多症なし。カルバマゼピンの投与中止のみで回復)患者37名、コントロール患者(カルバマゼピンを6ヶ月以上投与されても過敏症症状なし)63人、及び健常人250人につき、TNFaのプロモーター領域の多型2種をPCR-RFLP法で、HLA-DR3, -DQ2のタイピングをPCR-SSP法で行った。統計解析は、c2検定またはフィッシャーの正確確率検定により行い、P≦0.05を有意とした。
結果
重傷過敏症患者はコントロール患者、またはこれに健常人を足した全コントロール検体に対して、TNFaの-308G>A (オッズ比2.4-2.7、P≦0.02)、HLA-DR3 (オッズ比3.3-3.7、P≦0.03)、HLA-DQ2(オッズ比2.7-3.1、P≦0.06)のアリル頻度が、ほぼ有意に高かった。これらはハプロタイプを形成しており、重傷過敏症患者においてTNFaの-308A - HLA-DR3 ? HLA-DQ2ハプロタイプは、全コントロール検体に対しオッズ比3.2、P=0.02で有意に高頻度であった。
結論
白人では、TNFaの-308A - HLA-DR3 ? HLA-DQ2ハプロタイプは、カルバマゼピンによる重症過敏症発症に相関していることが示唆された。