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重症薬疹の発症に関連する因子の解析研究

重症薬疹発症と相関するHLA型及び遺伝子多型に関する研究論文

ネビラピン

抗HIV薬

Predisposition to nevirapine hypersensitivity associated with HLA-DRB1*0101 and abrogated by low CD4 T-cell counts. Martin AM et al., AIDS 19, 97-99 (2005)

人種

主として白人(ただし、過敏症患者に1人、軽い発疹のみの患者+コントロール患者に39名の他人種を含む)

方法

ネビラピンによる過敏症(発疹および発熱、またはgrade2以上の肝障害)発症患者14人、軽い発疹のみの患者12名、及びコントロール患者209人(ネビラピンを6週間以上飲んでも過敏症反応なし)を対象に、HLA型のタイピングをHLA-A, -B, -C, -DR, -DQにつき血清学的に、又はシーケンス配列解析により行った。また、CD4+、CD8+ T細胞数および割合を測定した。統計解析は、多変量解析(ロジスティック回帰分析)により行った。また、P値には解析領域のHLAアリル数を掛けて補正した。

結果

HLA-DRB1*0101を有している患者では、有していない患者に比べて過敏症発症率が有意に高く(16.7% vs 4.0%、オッズ比4.8, P=0.01)、またCD4+ T細胞の割合が25%以上である患者は、25%未満の患者に比べて、過敏症発症率が有意に高かった(12.7% vs 2.6%、オッズ比5.5,P=0.003)。また両方を有している患者は、両方を有していない患者に比べて、過敏症発症率が有意に高かった(40% vs 3.0%、オッズ比17.7,補正後のP=0.0006)。

いずれの場合も、軽い発疹のみの場合の発症率については、差が見られなかった。

結論

HLA-DRB1*0101及びCD4+ T細胞の高割合(25%以上を占める)は、主として白人におけるネビラピンによる過敏症発症と相関していることが示唆された。

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