平成24年度の業務成績を紹介します。

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Square_gry_Right.png食品中の農薬及び動物用医薬品の残留とその変動に関する研究

1. 残留農薬分析法の確立に関する研究

1)約50農薬を対象として、LC-MSによる農薬等の茶の一斉試験法(熱湯浸出法)を開発。

2)約100農薬を対象として、LC-MSによる農薬等の一斉試験法Ⅱ(農産物:果実・野菜)の改良法を開発。

3)約150農薬を用いて、LC-TOF-MS法の通知LC-MS一斉試験法Ⅰ(農産物)への適用に関する基礎的検討を実施。

4)試験法が未整備の農薬を対象に、農産物中のアミトロール、グルホシネート、スピネトラム及びプロピリスルフロンの各個別試験法の検討開発を、地方衛生研究所及び食品衛生登録検査機関と協力して実施。

5)試験法が未整備の農薬を対象に、畜水産物中のアミトロール、イミダクロプリド、グルホシネート及びプロピリスルフロンの各個別試験法の検討開発を、地方衛生研究所及び食品衛生登録検査機関と協力して実施。

6)通知試験法「GC-MSによる農薬等の一斉試験法(農産物)」及び「LC-MSによる農薬等の一斉試験法Ⅰ(農産物)」の妥当性評価試験を、地方衛生研究所及び食品衛生登録検査機関と協力して実施。

7)新規LC-MS一斉試験法(畜水産物)[愛知県法]の妥当性評価試験を、地方衛生研究所と協力して実施。

8)昨年度開発したLC-MSによる農薬等の一斉試験法Ⅰ(茶)[有機溶媒抽出法]の妥当性評価試験を、地方衛生研究所と協力して実施。

9)開発した2, 4, 5-T等の改良試験法(農産物及び畜水産物)の妥当性評価試験を、食品衛生登録検査機関と協力して実施。

10)新たに基準値が設定された農薬を対象に、農産物中の1-ナフタレン酢酸、スピロテトラマト、ピリミスルファン、ペブレート、ペンチオピラド、マンジプロパミド、ヨウ化メチル及びレピメクチンの各試験法の評価検討を、食品衛生登録検査機関と協力して実施。

11)新たに基準値が設定された農薬を対象に、畜水産物中のアセキノシル、カフェンストロール、クロメプロップ、スピロテトラマト、トリスロストロビン、フェントラザミド、フェンヘキサミド、フルシラゾール及びボスカリドの各試験法の評価検討を、食品衛生登録検査機関と協力して実施。

12)FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス委員会) 第44回残留農薬部会に出席。

2. 残留動物用医薬品分析法の確立に関する研究

1)農薬等約200化合物を対象として、LC-MS/MSを用いた畜水産物中の残留農薬等新規一斉試験法を開発。

2)試験法が未整備の動物用医薬品を対象に、畜水産物中のアセトアミノフェン試験法の検討開発を愛知県衛生研究所と協力して実施。

3)昨年度開発した新規LC-MS一斉試験法(畜水産物)[国衛研法]の妥当性評価試験を、食品衛生登録検査機関と協力して実施。

4)新たに基準値が設定された動物用医薬品を対象に、畜水産物中のエトキシキン、オラキンドックス、クレンブテロール、クロルスロン、コリスチン、セフキノム、ブロチゾラム、マラカイトグリーン、ラフォキサニド、ジブチルヒドロキシトルエン(BHT)及びブチルヒドロキシアニソール(BHA)の各試験法の評価検討を、食品衛生登録検査機関等と協力して実施。

5)FAO/WHO合同食品規格計画(コーデックス委員会) 第20回残留動物用医薬品部会に出席。

3. 加工食品中の残留農薬等の分析法開発に関する研究

健康被害防止の観点から、加工食品中の農薬等が通常より高濃度に残留していることを確認することを目的として、迅速・簡便な一斉検出法を地方衛生研究所と協力して開発。開発した検出法は、性能評価基準を新たに設定し、「加工食品中に高濃度に含まれる農薬等の迅速検出法」として公表された。

4. 一般規則8に係る物質に関する調査研究

食品・添加物等の規格基準の成分規格8の対象となるプロゲステロンについて、畜水産物中の微量分析法を開発。開発した分析法を用いて、牛、豚及び鶏の可食組織(筋肉、脂肪、肝臓、腎臓等)、牛乳、バター、チーズ、鶏卵及びサケ各10もしくは20検体中のプロゲステロン含有量を調査。

5. 新規分析技術を用いた農産物中残留農薬のスクリーニング分析法の開発研究

中~低極性農薬を対象に、GC-MS/MS及びSFEを用いた残留農薬一斉分析法を開発。確立した方法で添加回収試験を行った結果、検討農薬の大部分は目標値に適合した。また、農薬残留試料(野菜・果実)を用いて、SFE法と溶媒抽出法との分析値の比較を行った結果、一部の農薬を除き両者でほぼ同等の結果が得られ、SFE法は残留農薬スクリーニング法として有効であることが示された。

6. 畜水産物中残留動物用医薬品及び農薬の包括的スクリーニング分析法の開発研究

畜水産物中の動物用医薬品及び農薬のLC-MS/MS一斉分析法を開発。開発した方法は、試料をエタノール及び水(1:1)混液で均一化することにより、試料調製中の分解を抑制することが可能であった。確立した方法で畜水産物10食品を対象に添加回収試験を行った結果、検討した動物用医薬品及び農薬の多くで70%~120%の良好な回収率が得られたことから、本法は、畜水産物中の残留動物用医薬品及び農薬の包括的なスクリーニング法として有用であると考えられた。

7. 標準添加法を用いた精確な定量法の検討
8. 安定同位体標識標準品による内標準法を用いた精確な定量法の検討
9. LC-TOF-MSを用いた残留農薬等一斉分析法の検討
10. GC-TOF-MSを用いた残留農薬等一斉分析法の検討

Square_gry_Right.png 食品分析の信頼性保証に関する研究

1. ナチュラルミネラルウォーター成分規格設定に伴う各種化学物質等分析法の性能評価基準策定に関する研究

ナチュラルミネラルウォーター成分規格として設定される予定の各種化学物質のうち、総水銀、臭素酸、シアン、ホルムアルデヒド、フタル酸ジ-2-エチルヘキシル、ジクロロアセトニトリル、残留塩素、TOC(全有機炭素)の分析法を水道法に関連する試験法をもとに再構築するとともに、分析法の妥当性を確認。

2. 食品中放射性物質検査における適正なサンプリング計画策定に関する研究

食品中の放射性物質検査に不可欠な適正なサンプリング計画を策定するための前提となる、サンプリングの原理・原則また、現在の検査において規定されているサンプリングについての、国内外からの情報収集、解析、および考察。

3. 摂取量推定を目的とする分析法の性能評価手法に関する研究
4. 汚染化学物質を対象とした分析法選択のための指針案策定に関する研究

平成20年に通知された食品中の有害金属を対象とした分析法選択のための指針の見直し、またその対象を有害物質全般に拡大した指針改定案の作成。

5. 食品検査に用いられるサンプリングの原理・原則ガイドライン策定に関する研究

Square_gry_Right.png 食品汚染物の分析法開発及び摂取量調査に関する研究

1. 食品長期監視に関する研究

平成24年度分の汚染物質摂取量推定を目的とした混合並びに個別食品試料の収集、保管。

2. 日常食からの汚染物質摂取量推定に関する研究

全国11地域のトータルダイエット試料(計154試料)の調製、および分析。農薬、金属等を含む有害化学物質の一日摂取量の推定。

3. 食品汚染物データ収集ならびに評価対象汚染物の探索に関する研究

平成24年度に全国の衛生研究所等で実施された検査結果のデータベースへの追加。ならびに、新たに摂取量推定すべき有害物質の探索。

4. 摂取量推定値の信頼性向上に関する研究

メチル水銀摂取量を推定するための分析法の基礎となる、個別の魚食品を対象とした分析法の改良。性能評価後の、適用可能な魚種の範囲の検証。また別途開発したGC-MS/MS法を用いた、魚介類中のメチル及びエチル水銀量の実態調査。

5. 食品からの塩素化ダイオキシン類の摂取量推定に関する研究

全国7地区8機関で調製したトータルダイエット試料(計83試料)の分析、ならびにダイオキシン類摂取量の推定。また、個別の食品として、畜肉類、魚介類、健康食品、冷凍食品及びレトルト食品(計70試料)の分析、ならびにダイオキシン濃度の解明。

6. 難分解性汚染物の摂取量推定に必要な分析法の開発研究

1)高感度CALUXアッセイの市販魚中ダイオキシン類分析の性能評価の実施。機器分析法との比較試験を実施し、本アッセイのスクリーニング法としての利用を検討。

2)GC-MS/MSによる食品中の多環芳香族炭化水素類(16種)の一斉分析法の検討。実態調査への利用を目的とした、燻製魚介類及び燻製畜肉類についての性能評価の実施。ならびに、市販の燻製魚介および畜肉類(計53試料)のPAH含有実態の調査。

7. 震災・津波による食品の化学物質汚染実態の調査

津波により被災した主に4つの県から、穀類や魚介類等を含む510食品を買い上げ、ICP-MS法により分析、15種の金属の含有量の実態を解明。

8. 食品からの塩素化ダイオキシン類の摂取量調査研究
9. 有害化学物質摂取量推定に不可欠な分析法開発に関する研究
10. 各種有害物質の適時及び継続的な摂取量推定研究
11. リスクを考慮した精密摂取量推定手法開発に関する研究
12. 食品汚染物データ収集ならびに評価対象汚染物の探索に関する研究
13. 輸入農産物中の重金属等の実態に関する研究
14. 清涼飲料水中の化学物質の実態に関する研究
15. 食品中の製造副生成物に関する研究
16. 有害物質の実態及び摂取量データの提供を通じた国際協力

Square_gry_Right.png 食品中の放射性物質に関する研究

1. 流通食品中の放射性物質濃度の調査

福島第一原子力発電所周辺の17都県を産地とする流通段階の食品(計1,735試料)を買い上げ、放射性セシウム濃度を調査。3試料が基準値を超過しており、食品衛生法違反となった.違反率は0.3%程度であり低かった。

2. 食品中の放射性物質の基準値の検証等に関する試験研究

1) 平成23年度に作製した12地域のマーケットバスケット試料(168試料)を分析し、該当地域における放射性セシウムなどの年間預託実効線量を推定。また、9地区については各年齢区分及び妊婦を対象に作製した陰膳試料(計351試料)を分析し、集団毎の放射性セシウムの年間預託実効線量を推定。

2) 放射性セシウム濃度が高かったマーケットバスケット試料(20試料)および集団毎に混合した陰膳試料(63試料)について、放射性ストロンチウムとプルトニウム分析を実施。

3) 年度内に2回、全国15地域のマーケットバスケット試料(計420試料)を作製。

3. 食品中の放射性物質実態調査研究

1) 放射性セシウムの汚染が確認された食品試料(18試料)について、放射性ストロンチウム、プルトニウム及びウランを分析。これらの結果に基づき、現在の放射性物質の基準値設定の妥当性について考察。

2) 市販の乳児用食品(241試料)について放射性セシウム濃度を調査。結果、全ての試料について放射性セシウムは検出限界(5 Bq/kg)未満であった。