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ウステキヌマブ(遺伝子組換え)


【一般名】
ウステキヌマブ(遺伝子組換え)
Ustekinumab(Genetical Recombination)

【解説】
ウステキヌマブは、ヒトインターロイキン-12及びインターロイキン-23のp40サブユニットに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体である。
ウステキヌマブは、マウスミエローマ(Sp2/0)細胞により産生される。
ウステキヌマブは、449個のアミノ酸残基からなるH鎖(γ1鎖)2分子及び214個のアミノ酸残基からなるL鎖(κ鎖)2分子で構成される糖タンパク質である。

【分子量】
148,079~149,690

【剤形】
注射剤

【性状】
無色~淡黄色の澄明又はわずかに混濁した液

【投与経路】
皮下注射

【効能又は効果】
既存治療で効果不十分な下記疾患
尋常性乾癬、関節症性乾癬

【薬効薬理】
本剤はヒトインターロイキン(IL)-12及びIL-23を構成するp40たん白サブユニットに結合する。
in vitro試験において以下の作用を示した。
・IL-12及びIL-23に特異的かつ高い親和性で結合した。
・IL-12及びIL-23受容体複合体へのIL-12及びIL-23の結合を阻害した。
・IL-12及びIL-23によって活性化されるヘルパーT細胞及びナチュラルキラー細胞などの免疫担当細胞の細胞内シグナル伝達並びにIFN-γ、IL-17A、IL-17F及びIL-22の分泌を抑制した。

作用部位・作用機序
本剤の適用疾患である乾癬は、正常の約30倍にも及ぶ表皮細胞の異常増殖亢進を特徴とする疾患であり、その病態にはT細胞が重要な役割を担っていると考えられている。T細胞の中でもヘルパーT細胞1(Th1)およびヘルパーT細胞17(Th17)の関与が重要とされており、それぞれCD4陽性ナイーブT細胞から分化誘導され活性化されるが、IL-12がCD4陽性ナイーブT細胞のTh1への分化に関与し、一方IL-23がTh17の活性化を促すとされている。
ヒトのIL-12およびIL-23には共通構成タンパクのp40が存在し、ウステキヌマブはこのIL-12/23p40に特異的かつ高い親和性で結合する。ウステキヌマブを投与するとIL-12およびIL-23に強く結合して各受容体への結合を阻害するため、CD4陽性ナイーブT細胞からTh1への分化およびTh17の分化活性化が抑制される。この結果、Th1およびTh17の生理活性が抑制され、乾癬の症状を改善すると考えられている。

<情報は全てステラーラ皮下注シリンジ添付文書およびインタビューフォームより>