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ソマトロピン(遺伝子組換え)


【一般名】
ソマトロピン(遺伝子組換え)
Somatropin(genetical recombination)

【解説】
191個のアミノ酸からなるペプチド(分子式:C990H1528N262O300S7
遺伝子組換え天然型ヒト成長ホルモン製剤である。

【分子量】
22,125

【剤形】
注射剤

【性状】
無色澄明の液

【投与経路】
皮下注射

【主な効能または効果】
1. 骨端線閉鎖を伴わない成長ホルモン分泌不全性低身長症
2. 骨端線閉鎖を伴わない次の疾患における低身長
ターナー症候群,慢性腎不全

【薬効薬理】
1. 作用部位・作用機序
成長ホルモン(GH)は下垂体前葉で合成、貯蔵されるホルモンで、視床下部から分泌される成長ホルモン放出因子の刺激により放出され、ソマトスタチンにより分泌が抑制される。GHは肝臓等におけるインスリン様成長因子-I(IGF-I)の合成と分泌を促進する。分泌されたGHは、局部組織の細胞膜受容体と結合し又は主に肝臓で合成されるIGF-Iを介して骨や軟骨細胞の局部組織に作用し、骨格の成長をもたらす。さらに、GHは脂肪組織や筋組織及び免疫組織などの局部組織に直接作用し、タンパク質合成、グルコース及び脂質代謝を促進し、免疫機能を調節する。また、GHとIGF-Iはサイロキシン、コルチゾール、インスリンなどの他のホルモン及び増殖因子(TGF-β、線維芽細胞成長因子)と相互に作用する。

2. 薬効を裏付ける試験成績
1)身体成長促進作用
 動物実験における概要を示す。
 雄下垂体摘出Wistarラットに、10日間、0、5、10μg/動物皮下へ投与した体重測定試験にて、EP2000(ソマトロピン)注射液(原薬及び製剤)、国際標準品注)、標準製剤の各投与群は同様の体重変動を示し、本剤の生物活性は国際標準品及び標準製剤と同等(同質)であると判断された。
 雄下垂体摘出Sprague-Dawley(SD)ラットに、10日間,0、0.02、0.16 IU/動物皮下へ投与した脛骨骨端軟骨径測定試験にて、投与量と脛骨骨端軟骨径測定との間で、EP2000(ソマトロピン)注射液(原薬及び製剤)は、国際標準品及び標準製剤各投与群同様の相関を示し、生物活性は国際標準品及び標準製剤と同等(同質)であると判断された。
注)NIBSC 88/624 and/or 98/574(NIBSC;National Institute for Biological Standards and Controls:国立生物学的製剤研究所(英国)。生物製剤の国際標準品を扱う)
2)IGF-I増加作用
健康成人及び成長ホルモン分泌不全性低身長症小児患者において血中IGF-I濃度を増加させることが認められている。


<情報は全てソマトロピン「サンド」添付文書およびインタビューフォームより>