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リツキシマブ(遺伝子組換え)


【一般名】
リツキシマブ(遺伝子組換え)
Rituximab(genetical recombination)

【解説】
ヒトBリンパ球表面に存在する分化抗原CD20(リンタンパク質)に結合するモノクローナル抗体で、CD20 抗原の認識部位(可変部領域)がマウス由来、それ以外の部分(定常部領域)がヒト由来(IgG1κ)のマウス-ヒトキメラ型抗体であり、1,328個のアミノ酸から構成されている。チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される。

【分子量】
144,510

【剤形】
注射剤

【性状】
無色~淡黄色の澄明又はわずかに白濁した液

【投与経路】
点滴静注

【主な効能または効果】
・CD20陽性のB細胞性非ホジキンリンパ腫
・インジウム(111In)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液及びイットリウム(90Y)イブリツモマブ チウキセタン(遺伝子組換え)注射液投与の前投与

【薬効薬理】
CD20 抗原
ヒトCD20 抗原は、Pro-B 細胞、形質細胞を除くほとんど全ての正常及び腫瘍化したB リンパ球に発現している分化抗原(リンタンパク質)であり、B リンパ球以外の細胞には発現していない。

薬理作用
1) CD20 抗原特異的結合作用
IDEC-2B8(リツキシマブと同一のCD20抗原認識部位(可変部領域)を有するマウス型CD20モノクローナル抗体)は、既存の抗CD20 抗体であるB1 のヒトCD20 抗原に対する結合を濃
度依存的に阻害し、そのIC50(50%阻害濃度)値はB1、Leu16(抗ヒトCD20抗体)の1/2~1/3と、ヒトCD20抗原に対して強い抗原特異的結合能を示した。この強い抗原特異的結合能は、
本剤(マウス-ヒトキメラ型抗体)でも維持されていた。
2) B リンパ球特異的結合作用
本剤は、ヒト末梢血Bリンパ球やヒト低悪性度Bリンパ腫細胞と特異的に結合し、他の免疫系細胞とは反応しなかった。
3) Bリンパ球傷害作用
カニクイザルに週1回4週間及び4日間連日静注投与した結果、末梢血液、骨髄及びリンパ節中のBリンパ球は著明に減少した。なお、Tリンパ球には変化を認めなかった。
4)ヒト正常組織との交叉反応性
成人ヒト正常組織の凍結切片との交叉反応性を調べた結果、本剤が反応性を示したのは、リンパ節、骨髄、末梢血細胞、扁桃、脾臓のみで、これ以外の非リンパ系組織とは反応しなかった。

作用機序
1)補体依存性細胞傷害作用(complement-dependent cytotoxicity,CDC)
本剤はヒト補体の存在下、2.2μg/mLの濃度でSB細胞(ヒト由来CD20陽性細胞)の50%を溶解したが、HSB細胞(ヒト由来CD20陰性細胞)は溶解せず、CD20抗原を有する細胞に対して
補体依存性細胞傷害作用を有することが確認された。また、ヒト補体存在下、造血幹細胞(CD34陽性細胞)のコロニー形成能に影響しなかった。
2)抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用( antibody-dependent cell-mediated cytotoxicity, ADCC)
本剤はヒトエフェクター細胞の存在下、3.9μg/mL の濃度でSB細胞の50%を溶解したが、HSB 細胞は溶解せず、CD20 抗原を有する細胞に対して抗体依存性細胞介在性細胞傷害作用を有す
ることが確認された。


<情報は全てリツキサン注添付文書および医薬品インタビューフォームより>