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ラニビズマブ(遺伝子組換え)


【一般名】
ラニビズマブ(遺伝子組換え)
Ranibizumab(genetical recombination)

【解説】
マウス抗ヒト血管内皮増殖因子モノクローナル抗体の相補性決定部及びヒトIgG1に由来する定常部とフレームワーク部からなるヒト化マウス抗ヒト血管内皮増殖因子モノクローナル抗体のFab断片をコードするDNAの発現により、組換え体で産生される214個のアミノ酸残基(C
1035H1593N273O338S5;分子量:23428.67)の軽鎖1分子と231個のアミノ酸残基(C1123H1691N289O343S7;分子量:24952.63)の重鎖断片1分子からなるタンパク質である。

【分子量】
約48,000

【剤形】
注射剤

【性状】
無色~微褐色で、澄明又はわずかに混濁した液

【投与経路】
硝子体内投与

【主な効能又は効果】
中心窩下脈絡膜新生血管を伴う加齢黄斑変性症

【薬効薬理】
1. 作用機序
ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、VEGFに対するヒト化モノクローナル抗体のFab断片であり、CNVを伴う加齢黄班変性症においてCNVの形成及び血管からの漏出に重要な役割を果たしているVEGFを阻害する。
ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、VEGFの2種のアイソフォーム(VEGF121及びVEGF165)及びプラスミン分解産物で生物活性を有するVEGF110に結合親和性を示した(in vitro)。また、VEGFによって誘発される血管内皮細胞(ヒト臍帯静脈内皮細胞(HUVEC))の増殖及び血管内皮細胞からの組織因子産生を抑制した(in vitro)。さらに、モルモットの血管透過性皮膚モデルにおいてVEGFによる血管透過性を抑制した(in vivo)。ラニビズマブ(遺伝子組換え)は、抗体のFc領域を持たないため補体C1q及びFcγ受容体に結合しなかった(in vitro)。

2. カニクイザルのレーザー誘発CNVモデルに対する作用(in vivo)
レーザー誘発CNVモデルに対するラニビズマブ(遺伝子組換え)硝子体内投与時の作用をフルオレセイン蛍光眼底造影法を用いて、レーザー照射の3週間前から2週間に1回の投与による予防的効果、及びレーザー照射の3週間後から2週間に1回の投与による治療効果をそれぞれ検討した。いずれの場合も0.5 mgのラニビズマブ(遺伝子組換え)によりCNV形成及び血管外漏出が抑制された。さらに、光線力学的療法(PDT)と2.0 mgのラニビズマブ(遺伝子組換え)硝子体内投与(初回0.5 mg)の併用により、PDT単独時と比較して優れたCNVからの血管外漏出抑制作用を示した。なお、投与スケジュール(1週間毎に交互に治療及び2週間毎に同一日に治療)による効果の違いは認められなかった。

<情報は全てルセンティス硝子体内注射液2.3mg/0.23mL 添付文書および医薬品インタビューフォームより>