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パリビズマブ(遺伝子組換え)


【一般名】
パリビズマブ(遺伝子組換え)
Palivizumab(genetical recombination)

【解説】
マウス抗レスピレートリーシンシシャルウィルスFたんぱく質モノクローナル抗体の相補性決定部位、ならびにヒトIgG1定常部及び可変部フレーム配列からなるヒト化マウス抗RSV Fたんぱく質モノクローナル抗体をコードするcDNA を導入したマウスミエローマ細胞(NS0)から産生される213個のアミノ酸残基の軽鎖2分子450個のアミノ酸残基の重鎖2分子からなる糖タンパク質である。

【分子量】
約147,700

【剤形】
凍結乾燥注射剤

【性状】
白色の塊(白色の均一乾燥ケーキ状物質)

【投与経路】
筋肉内投与

【主な効能または効果】
下記の新生児,乳児及び幼児におけるRSウイルス(Respiratory Syncytial Virus)感染による重篤な下気道疾患の発症抑制
RSウイルス感染流行初期において、
・在胎期間28週以下の早産で、12ヵ月齢以下の新生児及び乳児
・在胎期間29週~35週の早産で、6ヵ月齢以下の新生児及び乳児
・過去6ヵ月以内に気管支肺異形成症(BPD)の治療を受けた24ヵ月齢以下の新生児、乳児及び幼児
・24ヵ月齢以下の血行動態に異常のある先天性心疾患(CHD)の新生児、乳児及び幼児

【薬効薬理】
(1) 作用機序
本剤はRSウイルスのFタンパク質上の抗原部位A領域に対する特異的ヒト化モノクローナル抗体である。本剤はRSウイルスが宿主細胞に接着・侵入する際に重要な役割を果たすFタンパク質に結合してウイルスの感染性を中和し、ウイルスの複製及び増殖を抑制する。
(2) 臨床分離株に対する作用
米国で得られたRSウイルスのサブタイプA及びBを含む臨床分離株の57株(サブタイプA:34株,B:23株 )すべてに対して本剤は中和活性を示した。
さらに、米国、ヨーロッパ及び南アメリカより計491株のRSウイルス臨床分離株に対する結合性を検討した結果、全株に対して本剤は結合した。
国内で得られたRSウイルス臨床分離株の23株(サブタイプA:13株、B:9株、不明:1株 )すべてに対して本剤は結合した。
(3) RSウイルス感染予防試験
コットンラットを用いたRSウイルス感染予防試験において、ウイルス感染前に本剤2.5 mg/kgを静脈内投与した場合、本剤を投与したラットにおける肺組織中のRSウイルス量は本剤を投与しなかったラットの100分の1以下に減少した。また、このときの本剤の平均血清中濃度は約30μg/mLであった。


<情報は全てシナジス筋注用添付文書および医薬品インタビューフォームより>