ナルトグラスチム(遺伝子組換え)
【一般名】
ナルトグラスチム(遺伝子組換え)
Nartograstim(genetical recombination)
【解説】
ヒト末梢血中のマクロファージに由来するヒト顆粒球コロニー形成刺激因子を改変し組換え体(大腸菌)で産生される175個のアミノ酸残基(C846H1336N226O245S8:分子量18849.82)から成るタンパク質である。
N末端から数えて1,3,4,5,17番目のアミノ酸が下記に示すごとく天然型hG-CSFと異なる。
1番目:スレオニン→アラニン
3番目:ロイシン→スレオニン
4番目:グリシン→チロシン
5番目:プロリン→アルギニン
17番目:システイン→セリン
【分子量】
18849.82
【剤形】
凍結乾燥注射剤
【性状】
白色の塊または粉末
無色透明の液(ナルトグラスチム原液)
【投与経路】
皮下投与、静脈内投与
【主な効能または効果】
・骨髄移植時の好中球の増加促進
・がん化学療法による好中球減少症
・小児再生不良性貧血に伴う好中球減少症
・先天性・特発性好中球減少症
【薬効薬理】
1. 顆粒球系前駆細胞の分化・増殖促進作用
ヒトおよびマウス骨髄細胞を用いて、コロニー形成試験および3H-チミジン取り込みを指標とした細胞増殖試験で、本剤が好中球への分化・増殖を選択的に促進することが認められた。なお、天然型hG-CSF(糖鎖非結合)と比較して本剤の比活性は約3倍高かった。
2. 末梢血好中球数の増加作用
サル、ラット、マウスにおいて末梢血好中球数を増加させる作用が認められ、また抗癌剤投与あるいは放射線照射による白血球減少マウスにおいて、用量依存的に好中球数の回復を促進した。更に、骨髄移植後の回復促進にも併用効果を示した。
3. 好中球の活性化と貪食殺菌能の亢進
本剤を投与したマウスまたはラットから採取した好中球は、非特異的刺激剤あるいは生菌刺激による活性酸素の産生能が亢進した。また、マウス好中球における貪食殺菌能の亢進も認められた。
4. 作用機序
好中球前駆細胞に本剤が選択的に作用するとともに、ヒト好中球に対する受容体結合試験では、本剤は好中球に存在する受容体に特異的に結合することが確認された。
<情報はノイアップ注添付文書および医薬品インタビューフォームより>