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レノグラスチム(遺伝子組換え)


【一般名】
レノグラスチム(遺伝子組換え)
Lenograstim(genetical recombination)

【解説】
ヒト口腔底細胞のmRNAに由来するヒト顆粒球コロニー形成刺激因子cDNAの発現により、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される174個のアミノ酸残基からなる糖タンパク質である。

【分子量】
約20,000

【剤形】
凍結乾燥注射剤

【性状】
白色の粉末又は塊

【投与経路】
皮下投与、静脈内投与

【主な効能または効果】
・造血幹細胞の末梢血中への動員
・造血幹細胞移植時の好中球数の増加促進
・がん化学療法による好中球減少症
・骨髄異形成症候群に伴う好中球減少症
・再生不良性貧血に伴う好中球減少症
・先天性・特発性好中球減少症
・ヒト免疫不全ウイルス(HIV) 感染症の治療に支障を来す好中球減少症
・免疫抑制療法(腎移植)に伴う好中球減少症

【薬効薬理】
薬理作用
(1)正常マウス及び抗癌剤投与マウスのどちらにおいても、末梢血中に造血幹細胞及び前駆細胞を動員し、その数を増加させた。

(2)各種好中球減少モデル動物(抗癌剤投与マウス、骨髄移植マウス等)において好中球回復促進効果が認められた。

(3)抗癌剤投与による好中球数減少モデル動物(マウス)において減弱した感染抵抗性を正常レベルにまで回復させるのみならず、抗生物質の治療効果を増強させた。

(4)骨髄性白血病モデル動物(マウス)において抗癌剤投与により惹起された好中球数減少状態を改善するとともに好中球数の減少期間を短縮させた。

(5)ヒト末梢血単核球を用いた混合リンパ球反応において、臓器移植時に用いられる免疫抑制療法剤の効果に対して影響を及ぼさなかった(in vitro)。また、宿主対移植片反応において、免疫抑制療法剤の効果に対して影響を及ぼさなかった(in vivo)。

作用機序
(1)ヒト由来の顆粒球コロニー形成刺激因子(G-CSF)と基本的に差異のない構造を有する糖蛋白質の造血因子で、骨髄中の顆粒球系前駆細胞に働き、好中球への分化と増殖を促すと考えられている。

(2)マウスの骨髄細胞を本剤存在下で培養し、コロニー形成能を測定した結果、顆粒球・マクロファージコロニー形成細胞(CFU-GM)に作用したが、赤血球系(BFU-E、CFU-E)、巨核球系(CFU-Meg)にはコロニー形成能は認められなかった(in vitro)。


<情報は全てノイトロジン注添付文書より>