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インターフェロン ベータ


【一般名】
インターフェロン ベータ
Interferon beta
 
【解説】
大規模単層細胞培養法により製造されるヒト正常二倍体線維芽細胞由来の天然型のβ型インターフェロンで、糖鎖を結合したアミノ酸166個からなるタンパク質である。

【分子量】
20,024.83(ポリペプチド部分)

【剤形】
注射剤

【性状】
白色の粉末又は塊の凍結乾燥製剤

【投与経路】
髄腔内(腫瘍内を含む)に投与、腫瘍内又はその周辺部に投与、静脈内投与、点滴静注

【効能又は効果】
・膠芽腫、髄芽腫、星細胞腫
・皮膚悪性黒色腫
・HBe抗原陽性でかつDNAポリメラーゼ陽性のB型慢性活動性肝炎のウイルス血症の改善
・C型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
・リバビリンとの併用による以下のいずれかのC型慢性肝炎におけるウイルス血症の改善
  (1) 血中HCV-RNA量が高値の患者
  (2) インターフェロン製剤単独療法で無効の患者又はインターフェロン製剤単独療法後再燃した患者
・C型代償性肝硬変におけるウイルス血症の改善(HCVセログループ1の血中HCV-RNA量が高い場合を除く)皮膚悪性黒色腫

【薬効薬理】
1. 抗腫瘍作用
1) In vitro
ヒト脳腫瘍由来細胞株(AJ)に対し、本剤103IU/mLを処理したところ、著明な増殖抑制を認めた。またヒト悪性黒色腫由来細胞株(HMV-1)に対しても強い増殖抑制(IC50:130IU/mL)を認めた。
2) In vivo
悪性神経膠腫由来細胞株(Gl-MK)をヌードマウスの皮下に移植後、腹腔内投与により腫瘍の増殖抑制を認めた。Gl-MK及び神経膠芽腫由来細胞株(Gl-AK)をヌードマウスの皮下に移植後、腫瘍内投与により著明な増殖抑制を認めた。また投与後の腫瘍組織では、細胞成分の著明な減少、核濃縮、細胞突起形成増加傾向等、著明な抗腫瘍効果を示した。多形性膠芽腫由来細胞株(GL-5-JCK)をヌードマウスに移植後、静脈内投与又は腫瘍内投与により有意な増殖抑制を認めた。またヒト悪性黒色腫由来細胞株(HMV-1)をヌードマウスに移植後、腫瘍内投与により著明な増殖抑制を認めた。
3) 作用機序
腫瘍細胞表面に結合し、その増殖を抑制する直接作用と、宿主を介して抗腫瘍免疫能を活性化することにより、腫瘍の増殖を抑制する間接作用とが考えられている。

2. 抗ウイルス作用
1) In vitro
ヒト胎児皮膚由来HES/YS細胞を用いて、本剤で一晩処理後、各種RNA、DNAウイルスを接種したところ、VSV>HSV-1>アデノウイルス3型、19型>アデノウイルス4型>アデノウイルス8型の順で抗ウイルス効果を認めた。
B型肝炎ウイルス(HBV)DNAを挿入したヒト肝芽腫細胞のHepG2細胞を用いて、本剤で3日間処理後、細胞中のHBV複製阻害を認めた。
C型肝炎ウイルス(HCV)感染したヒトTリンパ細胞を用いて、本剤で8日間処理後、細胞内のHCV複製阻害を認めた。
2) In vivo
ウサギ角膜ヘルペスウイルス感染に対し、本剤1.4×10
5 IUを局所(点眼)投与し抗ウイルス効果を認めた。
3) 作用機序
細胞膜上のレセプターを介して細胞に働き、2-5A合成酵素、プロテインキナーゼ等を誘導し、細胞を抗ウイルス状態に保つと考えられている。

<情報は全てフエロン注射用添付文書およびインタビューフォームより>