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インスリン リスプロ(遺伝子組換え)


【一般名】
インスリン リスプロ(遺伝子組換え)
Insulin lispro(genetical recombination)

【解説】
ヒトインスリンのB鎖28位のプロリンをリジンに、29位のリジンをプロリンに置換したインスリンアナログであり、51個のアミノ酸残基からなるポリペプチドである(C
257H383N65O77S6)。

【分子量】
5807.57

【剤形】
注射剤

【性状】
白色の粉末である。希水酸化ナトリウム試液に溶けやすく、0.05 mol/L炭酸塩緩衝液及び0.01 mol/L塩酸試液にやや溶けにくく、水及びエタノール(99.5)にほとんど溶けない。吸湿性である。

【投与経路】
皮下注射。

【主な効能又は効果】
インスリン療法が適応となる糖尿病

【薬効薬理】
1. 血糖降下作用
(1) インスリンリスプロ1モルは、ヒトインスリン1モルと同等の活性をもつ。
(2) 健康成人12例にヒューマログ注及びヒューマリンR注を0.05単位/kg又は0.025単位/kg単回皮下投与した結果、両剤ともに血糖降下作用が認められた。
(3) グリコヘモグロビン(HbA1c)に対する作用
外国の長期試験で、基礎インスリンも含む投与量の適切な調整を行えば有意にHbA1cの改善が可能であること、1型糖尿病患者30例を対象に持続皮下注入ポンプにてヒューマログ注を3ヵ月間投与した場合、ヒューマリンR注を投与した時に比べ有意にHbA1cを低下させることが示された。また国内においてもヒューマログ注で、開始時点から下降傾向が認められ、上昇傾向であったヒューマリンR注と有意な差を認めた。

2. 作用機序
インスリンリスプロは製剤中では六量体として存在するが、皮下注射後速やかに単量体へと解離するため、皮下から血中への移行が速い。その血中移行後、生体内における本剤を含むあらゆるインスリン製剤の主薬理作用は、グルコース代謝調節である。また、インスリン製剤は生体内組織での蛋白同化作用と抗異化作用を示す。筋肉と脳以外の臓器において、インスリン製剤は速やかなグルコース/アミノ酸細胞内輸送を引き起こし、同化作用を促進し、蛋白異化作用を阻害する。肝臓において、インスリン製剤はグルコース取り込みとグリコーゲン貯蔵を促進し、糖新生を阻害し、過剰なグルコースの脂肪への変換を促進する。

<情報は全てヒューマログ注添付文書及びインタビューフォームより>