イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)
【一般名】
イミグルセラーゼ(遺伝子組換え)
Imiglucerase(genetical recombination)
【解説】
ヒト胎児肺線維芽細胞に由来するヒトcDNAの発現によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたβ-グルコセレブロシダーゼを、シアリダーゼ、β-ガラクトシダーゼ及びヘキソサミニダーゼの酵素処理により糖鎖末端をマンノースにした497個のアミノ酸残基(C2532H3843N671O711S16;分子量: 55,509)からなる糖タンパク質である。
【分子量】
約60,000
【剤形】
注射剤
【性状】
本剤は白色~淡白色の粉末で、1バイアルを注射用水5.1mLで溶解した時のpHは5.9~6.3である。
【投与経路】
点滴静注
【主な効能又は効果】
ゴーシェ病の諸症状(貧血、血小板減少症、肝脾腫及び骨症状)の改善
【薬効薬理】
本剤は、ゴーシェ病のマクロファージに蓄積している糖脂質グルコセレブロシドの分解酵素グルコセレブロシダーゼの改良型酵素である。本剤は、DNA組換え技術によりチャイニーズハムスター卵巣細胞で産生されたヒトβ-グルコセレブロシダーゼの糖鎖を修飾し、マンノース末端にすることにより、標的細胞であるマクロファージに効率よく取り込まれ、効力を発揮する。
1. グルコセレブロシドに対する作用
天然基質グルコセレブロシドのアナログである合成基質p-ニトロフェニル-β-D-グルコピラノシドに対する本剤及び胎盤由来のβ-グルコセレブロシダーゼ製剤(一般名:アルグルセラーゼ、商品名:セレデース注)の酵素反応性を検討したところ、酵素反応速度定数(Km及びVmax)に差はなく、酵素特性は同等であった。
2. マクロファージレセプターに対する反応性
本剤は、ラット肺胞マクロファージのマンノースレセプターに対する、125Ⅰ-マンノシレートウシ血清アルブミンの結合を阻害し、その阻害能はアルグルセラーゼと同等であった。また、本剤及びアルグルセラーゼの125I-標識体のラット肺胞マクロファージマンノースレセプターへの結合能について検討した結果、本剤はアルグルセラーゼと同等の親和性及び結合速度を示した。
<情報は全てセレザイム注添付文書及びインタビューフォームより>