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人血清アルブミン(遺伝子組換え)


【一般名】
人血清アルブミン(遺伝子組換え)
Human serum albumin(genetical recombination)

【解説】
ヒト肝細胞のmRNAに由来するヒト血清アルブミンcDNAの発現により組換え体で産生される585個のアミノ酸残基(C
2936H4590N786O889S41;分子量:66,438.21)からなる糖タンパク質である。

【分子量】
約66,000

【剤形】
注射剤

【性状】
本剤は 1 mL中に人血清アルブミン(遺伝子組換え)250 mgを含有する黄色~黄褐色澄明な水性注射剤である。

【投与経路】
点滴静注

【主な効能又は効果】
アルブミンの喪失(熱傷、ネフローゼ症候群など)及びアルブミン合成低下(肝硬変症など)による低アルブミン血症、出血性ショック

【薬効薬理】
1 . 作用機序
(1) アルブミンは正常人血漿たん白のうち約60%を占める量的に最も多いたん白で、血漿膠質浸透圧の約80%を担い、水分を保持する( 1 gのアルブミンは約20mLの血漿を増加させる)ことにより循環血液量を調節している。
(2) 本剤は、正常血漿のアルブミン濃度を約40 mg/mLとすると、約6倍の高濃度(25%)溶液で、本剤の投与により血中の膠質浸透圧を高め、組織中の体液を血管内に移行させることにより循環血漿量を増加し、体液循環が改善される。

2 . 薬理効果
( 1 )各種低アルブミン血症モデルにおける効果ラットを用いた各種低アルブミン血症モデルに対する人血清アルブミン(遺伝子組換え)投与により、膠質浸透圧の改善に伴うと考えられる次の効果が認められた。
1 )肝硬変モデルにおいて、腹囲の減少が認められた。
2 )腎症モデルにおいて、尿量の増加及び腹水量の減少が認められた。
3 )Ⅲ度熱傷モデルにおいて、尿量の増加及び体重の減少が認められた。
4 )肺水腫モデルにおいて、肺水腫の改善傾向が認められた。

( 2 )循環血漿量減少モデルにおける効果
出血性ショック及び臓器炎症に伴う循環血漿量の減少モデルに対する人血清アルブミン(遺伝子組換え)投与により、膠質浸透圧の維持及び循環血漿量の是正に伴うと考えられる次の効果が認められた。
1 )イヌ出血性ショックモデルにおいて、循環動態は改善し、その効果は生理食塩液及び晶質輸液投与に比べ良好で持続的であった。また、急性腎不全が惹起している状態において尿量、糸球体濾過量及び腎血漿流量の回復が認められた。
2 )ラット出血性ショックモデルにおいて、血圧の回復及び心拍出量の増加が認められた。また、減少した臓器への血流量は、無処置対照群に比べ有意に増加した。
3 )ラット急性膵炎モデルにおいて、循環血漿量を是正した.この作用は生理食塩液では認められなかった。

<情報は全てメドウェイ注添付文書及びインタビューフォームより>