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カナキヌマブ(遺伝子組換え)


【一般名】
カナキヌマブ(遺伝子組換え)
Canakinumab(Genetical Recombination)

【解説】
本品は、ヒト IL-1βに対する遺伝子組換えヒトIgG1モノクローナル抗体であり、マウスハイブリドーマ細胞Sp2/0-Ag14により産生される448個のアミノ酸残基からなる重鎖(C
2196H3387N587O669S16;分子量: 49,227.96)2分子及び 214個のアミノ酸残基からなる軽鎖(C1030H1596N274O336S5;分子量: 23,353.65)2分子で構成される糖タンパク質である。

【分子量】
約148,000

【剤形】
注射剤

【性状】
無色~微黄褐色の澄明又は混濁した液

【投与経路】
皮下注射

【効能又は効果】
以下のクリオピリン関連周期性症候群
・家族性寒冷自己炎症症候群
・マックル・ウェルズ症候群
・新生児期発症多臓器系炎症性疾患

(解説)
クリオピリン関連周期性症候群は、生後まもなくあるいは幼児期より発症し、生涯を通じて多様な炎症症状が繰り返し発生する慢性自己炎症疾患群の一つである。重症患者では時に生命を脅かされることもある。

【薬効薬理】
クリオピリン関連周期性症候群はインターロイキン-1β(IL-1β)が過剰産生されることで慢性的な炎症反応や進行性の組織障害が引き起こされる疾患で、このIL-1βの過剰産生には、生体内で病原体や危険信号の細胞内センサーとして自然免疫防御機構に関与する蛋白質のクリオピリンをコードする NALP3遺伝子変異の関与が明らかとなっている。 NALP3遺伝子変異によりリガンド非依存性NALP3インフラマソームの活性化と、それに引き続くIL-1βの過剰産生が生じ、CAPSの多彩な臨床症状が発現していると考えられている。
 カナキヌマブ(遺伝子組換え)はIL-1βに結合してIL-1β受容体への結合を阻害し、その活性を中和することにより、IL-1βの持続的な過剰産生による慢性的な炎症反応や炎症による進行性の組織障害を抑制する。

<情報は全てイラリス皮下注用インタビューフォームより>