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ベバシズマブ(遺伝子組換え)


【一般名】
ベバシズマブ(遺伝子組換え)
Bevacizumab(genetical recombination)

【解説】
マウス抗ヒト血管内皮増殖因子モノクローナル抗体の相補性決定部位及びヒトIgG1に由来するフレームワーク部分と定常部からなるヒト化モノクローナル抗体をコードするcDNAの発現により、チャイニーズハムスター卵巣細胞で産生される214個のアミノ酸残基(C
1034H1591N273O338S6;分子量:23446.71)の軽鎖2分子と453個のアミノ酸残基(C2235H3413N585O678S16;約49838.57:C末端のリジン1残基が欠損しているものを含む)の重鎖2分子からなる糖タンパク質である。

【分子量】
約149,000

【剤形】
注射剤(バイアル)

【性状】
澄明~わずかに蛋白質特有の乳白光を呈する、無色~微褐色の液

【投与経路】
点滴静注

【主な効能又は効果】
治癒切除不能な進行・再発の結腸・直腸癌
扁平上皮癌を除く切除不能な進行・再発の非小細胞肺癌

【薬効薬理】
ベバシズマブは、ヒト血管内皮増殖因子(VEGF)に対する遺伝子組換え型ヒト化モノクローナル抗体である。VEGFは、血管内皮細胞の細胞分裂促進・生存を制御するとともに血管透過性の亢進に関与するサイトカインであり、種々の癌細胞において発現が亢進している。
(1) 抗腫瘍効果
ヒト癌細胞株をヌードマウスに移植し、ベバシズマブ又は親抗体(マウス抗体)であるA4.6.1抗体を投与することにより、大腸癌(COLO205、HM7、LSLiM6)、肺癌(A549)、乳癌(MDA-MB-435)、卵巣癌(SKOV-3)、前立腺癌(DU145)等広範な癌腫に対し抗腫瘍活性を認めた。また、ヒト大腸癌(HM7)、前立腺癌(DU145)を用いた実験的癌転移モデルにおいて、各々肝臓、肺への転移を抑制した。化学療法あるいは放射線療法にベバシズマブ又は親抗体を併用することにより、抗腫瘍効果の増強作用を示した。
(2) 作用機序
ベバシズマブは、ヒトVEGFと特異的に結合することにより、VEGFと血管内皮細胞上に発現しているVEGF受容体との結合を阻害する。ベバシズマブはVEGFの生物活性を阻止することにより、腫瘍組織での血管新生を抑制し、腫瘍の増殖を阻害する。また、VEGFにより亢進した血管透過性を低下させ、腫瘍組織で亢進した間質圧を低減する。

<情報は全てアバスチン点滴静注用100mg/4mL/アバスチン点滴静注用400mg/16mL 添付文書および医薬品インタビューフォームより>