cooperation_top

横紋筋融解症の発症に関連するバイオマーカーの探索研究

関連する研究論文

横紋筋融解症の発症に関連する遺伝子マーカーの発表は、未だなされていませんが、軽症の筋障害を含む症例については下記の報告があります。

スタチン

高脂血症薬

A possible role for HLA-DRB1*04:06 in statin-related myopathy in Japanese patients. Sai K, Kajinami K, Akao H, Iwadare M, Sato-Ishida R, Kawai Y, Takeda K, Tanimoto T, Yamano T, Akasaka T, Ishida T, Hirata KI, Saku K, Yagi S, Soeki T, Sata M, Ueno M, Miyazaki S, Shiraki A, Oyama JI, Node K, Sugamura K, Ogawa H, Kurose K, Maekawa K, Matsuzawa Y, Imatoh T, Hasegawa R; Japanese Pharmacogenomics Data Science Consortium., Saito Y.: Drug Metab. Pharmacokinet. 31: 467-470 (2016).

スタチンを投与された日本人発症患者を対象にした解析で、HLA-DRB1*04:06が有意に発症に関連することを示唆する結果を得た、本研究班の成果です。

シンバスタチン

高脂血症薬

SLCO1B1 variants and statin-induced myopathy--a genomewide study. SEARCH Collaborative Group, Link E, Parish S, Armitage J, Bowman L, Heath S, Matsuda F, Gut I, Lathrop M, Collins R. N. Engl. J. Med. 359: 789-799 (2008) PMID: 18650507

解析対象

シンバスタチンを投与された心筋梗塞患者(投薬量:1次スクリーニング 80mg/day、検証解析 40 mg/day)。

ケース患者

少なくともクレアチンキナーゼ値が正常上限の3倍以上(及び通常レベルの5倍以上)で、かつALTレベルが通常レベルの1.7倍以上に上昇。または、クレアチンキナーゼ値が正常上限の10倍以上に上昇し、筋痛等の筋症状有り。

コントロール患者

少なくとも5年間、ケース群に該当する症状が認められなかった患者。

解析患者数

1次スクリーニング: ケース85例、コントロール90例、検証解析: ケース21例、コントロール16,643例。

解析方法

HumanHap300-Duo BeadChip (Illumina社)

結果

1次スクリーニングの結果、OATP1B1のイントロン11に存在する遺伝子多型rs4363657が、多重性補正後もp=0.001で有意に関連した。本多型は、OATP1B1の機能低下を示すエクソン6の多型rs4149056 (521T>C, V174A)とほぼ完全に連鎖していた。 オッズ比は、Cアレル1つにつき、4.5であり、CCで16.9となる。本結果は、別群検体を用いた検証解析でも確認された(p=0.004, オッズ比はCアレル1つにつき、2.6)。

<< 前のページに戻る