横紋筋融解症の発症に関連するバイオマーカーの探索研究
関連する研究論文
横紋筋融解症の発症に関連する遺伝子マーカーの発表は、未だなされていませんが、軽症の筋障害を含む症例については下記の報告があります。
スタチン
高脂血症薬
スタチンを投与された日本人発症患者を対象にした解析で、HLA-DRB1*04:06が有意に発症に関連することを示唆する結果を得た、本研究班の成果です。
シンバスタチン
高脂血症薬
解析対象
シンバスタチンを投与された心筋梗塞患者(投薬量:1次スクリーニング 80mg/day、検証解析 40 mg/day)。
ケース患者
少なくともクレアチンキナーゼ値が正常上限の3倍以上(及び通常レベルの5倍以上)で、かつALTレベルが通常レベルの1.7倍以上に上昇。または、クレアチンキナーゼ値が正常上限の10倍以上に上昇し、筋痛等の筋症状有り。
コントロール患者
少なくとも5年間、ケース群に該当する症状が認められなかった患者。
解析患者数
1次スクリーニング: ケース85例、コントロール90例、検証解析: ケース21例、コントロール16,643例。
解析方法
HumanHap300-Duo BeadChip (Illumina社)
結果
1次スクリーニングの結果、OATP1B1のイントロン11に存在する遺伝子多型rs4363657が、多重性補正後もp=0.001で有意に関連した。本多型は、OATP1B1の機能低下を示すエクソン6の多型rs4149056 (521T>C, V174A)とほぼ完全に連鎖していた。 オッズ比は、Cアレル1つにつき、4.5であり、CCで16.9となる。本結果は、別群検体を用いた検証解析でも確認された(p=0.004, オッズ比はCアレル1つにつき、2.6)。