■ 手指消毒剤の新型コロナウイルス不活化効果

 国立医薬品食品衛生研究所生活衛生化学部が手指消毒剤の新型コロナウイルスに対する有効性を評価した試験成績を募集し、事業者より提供された試験成績のうち、厚生労働省設置ワーキングループ(以下WG)が定めた公開条件を満たしたものを公開しています。
 製品名をクリックすると試験結果を閲覧できます。

◎公開条件
 1) WGが妥当性を認めた試験法である。
 2) 陰性対照がある。
 3) 反応停止(中和)条件の妥当性確認を行っている。
 4) 短い反応時間に3log10以上のウイルス減少。

※解説
1) ASTM E1052(ウイルスの不活化効果を評価する定量的懸濁試験実施要領として米国に本部のある国際非営利機関ASTM Internationalが作成)、EN 14476(ウイルスの不活化効果を評価する定量的懸濁試験として欧州標準化委員会が作成)など。
2) 消毒剤以外の陰性対照とウイルスを反応させ、ウイルスが減少しないことを確認する。
3) ウイルスと消毒剤の反応を中和剤により停止した後に生残ウイルス量の測定を行うが、消毒剤の効果が中和剤により完全に失われていないとウイルス量測定工程中にウイルスが減り続けるため、消毒剤の効果を過大評価してしまう。これを防ぐために妥当性確認が必要である。
4) 3log10以上のウイルス減少:不活化効果は反応前のウイルス量(力価)を反応後のウイルス量と比較した倍数の常用対数で表す。3log10以上の減少とは103=1000倍以上の減少、すなわち1/1000以下となったことを示す。

事業者名(五十音順) 製品名 有効成分,濃度
株式会社アルボース アルボナース ベンザルコニウム塩化物(0.05w/v%)
ゴージョージャパン株式会社 ピュレルアドバンスドジェル エタノール(72vol%)
ピュレルアドバンスドフォーム エタノール(72vol%)
丸石製薬株式会社 ウエルセプト 100 mL中日局エタノール83 mL
ウエルフォーム クロルヘキシジングルコン酸塩(0.2w/v%)
ウエルパス ベンザルコニウム塩化物(0.2w/v%)