研究業務

病理とは?

「病理」と言っても、多くの方からはどういうモノか聞いたことがないと言われてしまいます。

一般的に「病理学 (Pathology)」とは、病気が発生する原因や機序を解き明かす学問であり、病気の診断の基となる生命科学領域です。臨床では、採取された身体の組織や細胞から標本を作り、顕微鏡で形態学的変化を詳細に観察する事により、代謝異常、炎症性、腫瘍性など病因の推定と診断が行われています。

研究としては、実験動物等も用いて病気の成り立ちを追究し、ヒトでの機序との共通性について検討しています。

毒性病理学とは?

毒性病理学とは、
形態学的観察という病理学的手法を用いて、検討すべき物質の暴露による細胞や組織及び器官の傷害の有無ならびに程度を分析する学問です。生理学、生化学、生物学、免疫学、微生物学などの関連分野と協力して、リスクアセスメントにおいて重要な役割を担っています。

我々は、病理学的検討を基盤として、環境中の天然あるいは合成の化学物質が生物個体に及ぼす影響について、どの用量でどのような変化を誘発するのか(または、しないのか)を解析し、安全な使用を可能とするために必要なデータの提供を行っています。また、各種遺伝子改変動物を用いた検討、毒性発現過程における分子メカニズム解析など、毒性発現の機序に関する研究を通じて、人々の健康な生活に貢献しています。

さらに、国内外のさまざまな化学物質安全性評価機関の活動にも毒性病理学の専門家として参画しています。

毒性病理専門家について

化学物質による毒性の発現には、個体レベルや器官レベルでの代謝が大きく関わっており、毒性には臓器特異性があります。また、アレルギー反応あるいは腫瘍の発生・転移・浸潤、および神経毒性などによる行動異常など、生命現象の理解には、in vivo 研究に基づく情報がまだまだ必要とされています。将来の AI 等の活用に向けても、質の高い詳細なデータの蓄積が必須です。病理組織学的観察では、小宇宙とも称される、多種多彩な細胞が精密に配置されることによって構成されている全身諸臓器について顕微鏡下で直接みることができ、その様々な変化を捉え、意味を追究することができます。現在、次世代を担う毒性病理専門家が希求されています。

当研究室を見学希望の方はご連絡下さい。

連絡先:ogawa93@nihs.go.jp (小川)