ホーム

バイオ医薬品と免疫原性

免疫原性とは?

一般的に、抗原が抗体の産生や細胞性免疫を誘導する性質を免疫原性と呼びます。バイオ医薬品は抗原として作用し、治療した患者さんで抗体の産生が誘導される場合があります。FDAの安全性情報に基づいたバイオ医薬品による抗体産生の誘導率に関する論文(1) では、誘導率は0%から約25%と製品により異なることが報告されています。このように抗体が誘導されることで場合によっては有効性・安全性に悪影響を及ぼす可能性があるため、バイオ医薬品の有効性・安全性を確保するためは、免疫原性について十分に理解し、評価することが重要です。
(1) Baker, M.P., Self Nonself, 1 (4), 314-322 (2010)

免疫原性がバイオ医薬品の有効性・安全性に及ぼす影響

バイオ医薬品に対する抗体が誘導されても、有効性や安全性において問題とならない場合がほとんどです。しかし、稀ではありますが、下記のような有効性が低下した事例や有害な反応を引き起こした事例が報告されています。

Factors Affecting Immunogenicity
  1. Sorensen, P.S., et al., Neurology67 (9), 1681-3 (2006)
  2. Hesse, D., et al., Eur. J. Neurol.14 (8), 850-9 (2007)
  3. Casadevall, N., et al., N. Engl. J. Med.346 (7), 469-75 (2002)
  4. Gershon, S.K., et al., N. Eng. J. Med.346 (20), 1584-6 (2002)
  5. Locatelli F., et al., Perit. Dial. Int.27 (Suppl2), S303-7 (2006)

免疫原性に関するガイドライン

米国のガイドライン

欧州のガイドライン