国立医薬品食品衛生研究所

Last Updated:2025.10.08

研究内容

私たちの毎日の生活に食品は欠かせません。最近は、国内生産された食品だけではなく海外で生産された食品も当たり前に店頭に並ぶようになりました。このことにより、これまでは特定の季節にしか楽しむことのできなかった食品を一年中楽しむことができるようになるなど、私達の食生活は豊かになりより充実したものになりました。国内生産される食品に関しては貿易産品としての価値向上に期待が寄せられているところでもあり、政府も輸出促進のための取組を進めています。このような状況を踏まえると、未来の食卓にはこれまで以上に多様な食品が頻繁に並ぶようになるでしょう。食卓に並べられた食品の中にはその名を初めて聞く国で作られたものが含まれるかもしれません。一方それとは逆に、渡航先の外国で日本産の食品を消費する機会が増えるかもしれません。このような私達の食生活を豊かに変化させる食品流通のグローバル化を支える基礎の1つとなっているのがCodex委員会の活動です。

Codex委員会は、消費者の健康保護と公正な貿易の確保を目的に掲げ、様々な食品規格や規範、指針等の文書を策定しています。Codex委員会が策定した食品規格や文書は、実質的に国際的な効力を持ついわば国際標準です。安全な食品を消費者に確実に届けそして公正な貿易の確保の結果として日本産食品を円滑に輸出するためにも、わが国の食品安全行政施策は、Codex委員会が策定する国際標準に準拠する、あるいはそれらを起点に検討することが必要です。

第1室は、厚生労働省や消費者庁等の国による食品安全行政の国際整合、特にCodex委員会への取組を、食品規格の策定と実効に必要な情報の収集や解析等を通じて、科学的側面から支援しています


食品規格の国際整合等に関する研究の一部紹介*
  • 食品行政における国際整合性の確保と食品分野の国際動向に関する研究
    (2020年度 文献番号202024033A) (2021年度 文献番号202124021A)
  • 輸出先国のリスク管理に対応した残留農薬データ等の補完に関する研究
    (2020年度 文献番号202024036A) (2021年度 文献番号202124022A)
  • 食品に残留する農薬管理における方法論の国際整合に関する研究
    (2019年度 文献番号201924025A) (2020年度 文献番号202024003A・202024003B)
  • 輸出先国のリスク管理に対応した残留農薬データ等の補完のための研究
    (2019年度 文献番号201906030A)
  • 国際食品規格策定プロセスを踏まえた食品衛生規制の国際化戦略に関する研究
    (2019年度 文献番号201924024A・201924024B)
* 厚生労働科学研究成果データベース(https://mhlw-grants.niph.go.jp) から、各報告書をご覧いただくことが可能です。
Codexガイドライン等の(仮)翻訳*
  Codexガイドライン

CXG 33-1999RECOMMENDED METHODS OF SAMPLING FOR THE DETERMINATION OF PESTICIDE RESIDUES FOR COMPLIANCE WITH MRLS (農薬残留物のMRLへの適合を判定するための推奨サンプリング法) 
CXG 40-1993GUIDELINES ON GOOD LABORATORY PRACTICE IN PESTICIDE RESIDUE ANALYSIS (農薬残留物分析における優良試験所規範のガイドライン) 
CXG 50-2004【2023年改訂版】GENERAL GUIDELINES ON SAMPLING (サンプリングの一般ガイドライン) 
CXG 50-2004GENERAL GUIDELINES ON SAMPLING (サンプリングの一般ガイドライン) 
CXG 54-2004GUIDELINES ON MEASUREMENT UNCERTAINTY (測定(値)の不確かさのガイドライン)(別添2011年採択) 
CXG 54-2004GUIDELINES ON MEASUREMENT UNCERTAINTY (測定(値)の不確かさのガイドライン)(2021年最終採択) 
CXG 56-2005GUIDELINES ON THE USE OF MASS SPECTROMETRY (MS) FOR IDENTIFICATION, CONFIRMATION AND QUANTITATIVE DETERMINATION OF RESIDUES (残留物の同定、確認、定量を対象とした質量分析法(MS)の使用に関するガイドライン) 
CXG 59-2006GUIDELINES ON ESTIMATION OF UNCERTAINTY OF RESULTS (結果の不確かさ推定のガイドライン) 
CXG 64-1995PROTOCOL FOR THE DESIGN, CONDUCT AND INTERPRETATION OF METHOD PERFORMANCE STUDIES(分析法性能スタディのデザイン、実施及び解釈のプロトコル) 
CXG 65-1997HARMONIZED GUIDELINES FOR INTERNAL QUALITY CONTROL IN ANALYTICAL CHEMISTRY LABORATORIES (分析化学試験所における内部品質管理に関するハーモナイズドガイドライン) 
CXG 70-2009GUIDELINES FOR SETTLING DISPUTES OVER ANALYTICAL (TEST) RESULTS (分析(試験)結果に関わる係争解決のガイドライン) 
CXG 71-2009GUIDELINES FOR THE DESIGN AND IMPLEMENTATION OF NATIONAL REGULATORY FOOD SAFETY ASSURANCE PROGRAMME ASSOCIATED WITH THE USE OF VETERINARY DRUGS IN FOOD PRODUCING ANIMALS (食料生産動物における動物用医薬品使用に伴う国家規制食品安全保証プログラムのデザインと実施のガイドライン) 
CXG 83-2013PRINCIPLES FOR THE USE OF SAMPLING AND TESTING IN INTERNATIOAL FOOD TRADE (国際食品貿易におけるサンプリングと試験の使用の原理原則)
CXG 92-2019GUIDELINES FOR RAPID RISK ANALYSIS FOLLOWING INSTANCES OF DETECTION OF CONTAMINANTS IN FOOD WHERE THERE IS NO REGULATORY LEVEL (規制値のない食品汚染物質の検出事例後における迅速なリスクアナリシスに関するガイドライン)
  Codex実施規範

CXC 49-2001CODE OF PRACTICE CONCERNING SOURCE DIRECTED MEASURES TO REDUCE CONTAMINATION OF FOOD WITH CHEMICALS(化学物質による食品の汚染を低減するための発生源対策に関する実施規範) 
CXC 51-2003CODE OF PRACTICE FOR THE PREVENTION AND REDUCTION OF MYCOTOXIN CONTAMINATION IN CEREALS (穀類中のかび毒汚染の防止及び低減に関する実施規範) 
CXC 60-2005CODE OF PRACTICE FOR THE PREVENTION AND REDUCTION OF INORGANIC TIN CONTAMINATION IN CANNED FOODS (缶詰食品中の無機スズ汚染の防止及び低減のための実施規範) 
CXC 62-2006CODE OF PRACTICE FOR THE PREVENTION AND REDUCTION OF DIOXINS, DIOXIN-LIKE PCBs AND NON-DIOXIN-LIKE PCBs IN FOOD AND FEED(食品及び飼料中のダイオキシン、ダイオキシン様PCB及び非ダイオキシン様PCBの汚染防止及び低減に関する実施規範) 
CXC 63-2007CODE OF PRACTICE FOR THE PREVENTION AND REDUCTION OF OCHRATOXIN A CONTAMINATION IN WINE(ワイン中のオクラトキシンA汚染の防止及び低減のための実施規範) 
CXC 70-2011CODE OF PRACTICE FOR THE PREVENTION AND REDUCTION OF ETHYL CARBAMATE CONTAMINATION IN STONE FRUIT DISTILLATES (核果類蒸留酒中のカルバミン酸エチル汚染の防止及び低減のための実施規範) 
CXC 73-2013CODE OF PRACTICE FOR THE REDUCTION OF HYDROCYANIC ACID (HCN) IN CASSAVA AND CASSAVA PRODUCTS (キャッサバ及びキャッサバ製品中のシアン化水素酸(HCN)の低減のための実施規範) 
CXC 74-2014CODE OF PRACTICE FOR WEED CONTROL TO PREVENT AND REDUCE PYRROLIZIDINE ALKALOID CONTAMINATION IN FOOD AND FEED(食品及び飼料中のピロリジジンアルカロイド汚染の防止及び低減のための雑草管理に関する実施規範) 
  Codex情報提供文書

INF CCCF-2015GUIDANCE FOR RISK MANAGEMENT OPTIONS IN LIGHT OF DIFFERENT RISK ASSESSMENT OUTCOMES(さまざまなリスク評価結果を考慮したリスク管理オプションのためのガイダンス) 
国際化学物質安全性計画(IPCS: International Programme on Chemical
Safety)により策定された環境保健クライテリア(EHC)

EHC 240
- Chapter6
(EHC240第6章)
DIETARY EXPOSURE ASSESSMENT FOR CHEMICALS IN FOOD(食品に含まれる化学物質を対象とした食事性暴露評価) 
より安全な食品のための取り組み (WHO作成一般向け資料)
日本語版JECFA ツールボックス(動物用医薬品残留物のリスク評価用)*

Section 1THE JECFA RISK ASSESSMENT PROCESS (JECFAによるリスク評価のプロセス) 
Section 2HAZARD ASSESSMENT (ハザードの評価) 
Section 3.1TOTAL RESIDUES (総残留物) 
Section 3.2MARKER RESIDUES AND THE MARKER TO TOTAL RESIDUE RATIO (指標残留物及び総残留物に対する指標残留物の割合) 
Section 3.3MARKER RESIDUE DEPLETION STUDIES (指標残留物減衰試験) 
Section 3.4ESTIMATING MEDIAN AND TOLERANCE LIMIT VALUES FOR MARKER RESIDUES (指標残留物濃度の中央値及び許容限界値の推定) 
Section 4.1JECFA'S APPROACH FOR ASSESSING DIETARY EXPOSURE TO VETERINARY DRUG RESIDUES:Estimating total residues for use in dietary exposure assessment (動物用医薬品残留物への食事性ばく露を評価するためのJECFA法 : 食事性ばく露の評価に使用する総残留物濃度の推定) 
Section 4.2JECFA'S APPROACH FOR ASSESSING DIETARY EXPOSURE TO VETERINARY DRUG RESIDUES:Estimating dietary exposure using global estimated chronic dietary exposure (GECDE) and global estimated acute dietary exposure (GEADE) (動物用医薬品残留物への食事性ばく露を評価するためのJECFA法:食事性の慢性ばく露量のグローバルな推定値(GECDE)及び食事性の急性ばく露量のグローバルな推定値(GEADE)の推定) 
Section 5DERIVING MAXIMUM RESIDUE LIMITS (MRLs) (最大残留基準値(MRL)の導出) 
Section 6DATA REQUIREMENTS FOR A SUITABLE VETERINARY DRUG RESIDUE RISK ASSESSMENT (適切な動物用医薬品残留物のリスク評価のためのデータ要件) 

*  本翻訳版は、内閣府食品衛生基準科学研究費補助金・食品安全科学研究事業(JPCACAA23KA10
13)並びに食品衛生基準行政推進調査事業(JPCACAA23KA2001)により個人が開発しました。
国連食糧農業機関(FAO)によって作成されたものではありません。FAOは、この翻訳の内容又は 正確さに責任を負いません。元の言語版を正式版とします。
リスクコミュニケーションへの取り組み 
* 子どもでも楽しめる企画です。


食品検査結果調査

  • JMSデータ入力支援プログラム Ver5.8 (Excel)/(Zip版
  • R7データ収集用リスト(Excel)/(Zip版
  • JMSデータ入力支援プログラム操作マニュアル令和7年版(PDF

   <注> Excelファイルが開かない場合は、Zip版をダウンロードして下さい。


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