第4室研究内容

 ゲノム編集技術や合成生物学など新しい遺伝子改変技術や概念が次々に開発され,医療から農業分野まで広く利用されている.新たに開発された技術を利用した製品のヒトへの健康影響評価に関する研究が一層重要である.また,新しい技術を実用化するにあたり,国民の理解と受容は大きな課題であるためリスクコミュニケーションにも注力している.
 様々な遺伝子を改変して作製した変異体細胞や遺伝子改変動物等を用いて,ゲノム編集技術の細胞や生物に与える影響,疾病に関連する遺伝子の新たな機能やメカニズムの解明等を行うことによって,これらの結果をヒト健康影響評価に活用する.
 食中毒被害防止の観点から,高等植物・きのこによる食中毒事例の発生と中毒発生時の迅速・確実な原因種特定のための試験法や情報を集約してデータベースの作製を行なっている.また,分子系統樹解析を行い,生物学的分類の整備に役立てている.
 オミックス解析など大規模データの取扱いや正確な解析のために情報科学的知識や技能が重要になっている.生物学分野でのデータサイエンスの活用により効率的かつ多角的な解析を実施,新たな発見につなげる.また,オミックス解析やAIのような高度な解析手法が一般的になりつつある現状の一方で,リスク評価にどう活用していくかの検討は十分に行われていない.これら手法のリスク評価分野へ活用するためにどのような課題があるか検討を行なっている.


1. 植物性自然毒に関する研究とデータベース作製



予算
厚生労働科学研究費「自然毒のリスクプロファイル作成を目指した調査研究」
厚生労働科学研究費「食品中の自然毒のリスク管理に関する研究」
厚生労働科学研究費「国内侵入のおそれがある生物学的ハザードのリスクに関する研究」
厚生労働科学研究費「我が国で優先すべき生物学的ハザードの特定と管理措置に関する研究」
厚生労働科学研究費「国内侵入のおそれがある生物学的ハザードのリスクに関する研究」
厚生労働科学研究費「植物性自然毒による食中毒対策の基盤整備のための研究」


論文
1. “Rapid identification method of Omphalotus japonicus by polymerase chain reaction-restriction fragment length polymorphism (PCR-RFLP).” Food Hyg. Saf. Sci. (2017) 58: 113-123.(DOI: 10.3358/shokueishi.58.113)
2.“Molecular phylogenetic analysis of new Entoloma rhodopoli-um-related species in Japan and its identification method using PCR-RFLP.” Sci. Rep. (2017) 7: 14942(DOI: 10.1038/s41598-017-14466-x)
3. “PCR-RFLP Method for Rapid Discrimination of Toxic Plants Involved in Food Poisoning.” Food Hyg. Saf. Sci. (2018) 59: 134-140.(DOI: 10.3358/shokueishi.59.134)
4. “Qualitative real-time PCR method for poisonous Entoloma rhodopolium-related species in Japan.” Food Hyg. Saf. Sci. (2019) 60: 144-150.(DOI: 10.3358/shokueishi.60.144)

2.ゲノム編集技術食品のリスクコミュニケーション



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予算
厚生労働科学研究費「ゲノム編集食品の安全性確保に関する取り組みの周知とさらなる安全性確保に寄与する手法の探求」
文科省科研費「ゲノム編集食品に関する国民の理解を深めるリスクコミュニケーション方法の確立」


3.ゲノム編集技術を利用した時のヒト細胞への影響解析



予算
文科省科研費「細胞周期制御型CRISPR/Cas9システムの構築に関する基盤研究」


4.次世代シーケンサー(NGS)活用に関する調査



予算
内閣府食品安全委員会食品安全確保総合調査事業「次世代シークエンサーの活用状況等に関する調査」 報告書


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