1.開催日時等
日時:令和2年3月9日-19日
方法:郵送及び電子媒体による資料送付、メールによる意見・コメント収集
2.出席者等(敬称略)
出席委員(15名):
奥田晴宏(座長)、長島公之、澤木康平、村松章伊、東光久、荒戸照世、石井伊都子、伊藤清美、
西島正弘、野口瑛美、檜垣和孝、武藤正樹、守安貴子、四方田千佳子、渡邊善照
参考人:
吉野文枝 (日本製薬団体連合会)、伏見環、浅見宗俊 (日本ジェネリック製薬協会)、
永井祐子(日本バイオシミラー協議会)
事務局:
国立医薬品食品衛生研究所:合田幸広(副所長)、伊豆津健一、吉田寛幸、山本栄一、坂本知昭、
阿部康弘 (薬品部)、石井明子、柴田寛子(生物薬品部)
国立感染症研究所 :鈴木里和(薬剤耐性研究センター)、石川淳 (真菌部)
厚生労働省 :吉田易範、高畑正浩、田中克哉 (医薬品審査管理課)、
太田和、蒲池稔(監視指導・麻薬対策課)、
治田義太郎(医薬安全対策課)
医薬品医療機器総合機構 :廣田光恵、高木和則、佐野幸恵(ジェネリック医薬品等審査部)、
本田二葉、榎田綾子(再生医療製品等審査)、
上田博文、木村絵梨、前川佳子(安全性情報・企画管理部)
3.審議概要
(1)書面開催について
新型コロナウイルス感染症対策の状況を鑑み、書面にて意見を収集し、必要な対応を行うことと
された。
(2)平成30年度「後発医薬品品質確保対策事業」 検査結果報告(案)
平成30 年度「後発医薬品品質確保対策事業」として、都道府県の協力により実施された医薬品
等一斉監視指導の検査結果(案)について、884品目40有効成分を検査対象とし、溶出試験、崩
壊試験又は定量・力価試験に係る検査を実施された結果が報告された(資料24-1)。
課題となった4有効成分5品目は、いずれも製造販売業者による試験では規格に適合しているこ
とが確認され、製造所においても各試験結果に影響を与えるような問題は確認されなかったこと
から、最終的に適合と判定された。うち1有効成分1品目は溶出率の低下傾向を示したため自主回
収され、現在販売されていない。都道府県の試験と製造販売業者の試験間で判定結果に差異が生じ
た理由について委員から複数の質問があり、対応方法の改善などを進めることとなった。
以上の内容について、了承された。
(3)学会等での発表・論文及び医薬品医療機器総合機構への相談内容に関する審議
後発医薬品(対象期間:平成31年4月~令和元年9月)及びバイオシミラー(対象期間:平成
28年10月~令和元年9月)に関する文献及び学会発表 (資料24-2、資料24-3)、並びに令和元
年度上半期の医薬品医療機器総合機構への相談内容 (資料24-4) について報告された。
グリメピリド製剤に関する文献で指摘された簡易懸濁、経管投与に関する課題については、承
認用法外の投与方法であることから、本検討会において製品品質に関する課題としては扱ってい
ないが、医療現場での必要性を考慮し、これらの用法に適した製剤開発や情報提供の必要性が指
摘された。情報提供については、各社で実施された試験結果が共通の形式で提供されることが業
界団体より説明された。
インフリキシマブ製剤におけるGlycoformの比率の差に関する文献について、Glycoformの違
いはADCC(抗体依存性細胞傷害)活性の変動要因であるものの、開発時の品質比較試験におい
ても、先行品と後続品におけるGlycoformの差は見出されており、その差が有効性及び安全性に
影響を及ぼすものではないことが確認されたうえで承認されていることが業界団体より説明された。
お薬相談に寄せられたバルサルタン錠への発がん性物質混入に関する不安に関して、行政から
の情報提供が不足しているとの指摘が委員よりなされた。事務局より、バルサルタン及び発がん
性物質混入が疑われるその他の医薬品について製造販売業者による分析を進めており、問題がな
いことを確認できた品目について情報の周知を行うこと、及び厚生労働省発刊の『後発医薬品品
質情報No.13』(参考資料2)において情報を掲載している旨の説明がなされた。
(4)小児用ドライシロップ製剤におけるボトル内の有効成分の偏在について
第20回検討会において規格不適合となったクラリスロマイシンドライシロップ製剤について、
有効成分のボトル内偏析に関する検討と企業対応が報告された(資料24-5、参考資料1)。製剤
試験ワーキンググループ(WG)*が実施した検討により、一部の製剤で粒度毎の有効成分含量に
偏析傾向が確認された。一方で、薬局で用いられる分包機を用いた分包時において、有効成分量
のばらつきの増加は認められず、分包操作により生じる含量のばらつきのリスクは限定的である
ことが確認された。
*製剤試験ワーキンググループ (製剤試験WG): ジェネリック医薬品の品質に関して、試験
検査を実施し確認を行うため、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所及び地方衛生研
究所の担当者から構成されるWG。
(5)ミコフェノール酸モフェチルカプセルの溶出試験結果報告
第18回検討会で使用時における課題が指摘されたミコフェノール酸モフェチル製剤の溶出挙動
について、いずれの後発品も開発時に各社で取得された溶出挙動と大きな変動はないことが報告
された(資料24-6)。一方で、pH5.0において先発品の溶出が変動している可能性が示された。
同製剤の製造販売業者より、ミコフェノール酸モフェチルは弱酸性領域における溶解度のpH依存
性が大きいこと等が原因として考えられるとの説明がなされ、弱酸性領域での溶出性の管理の重
要性が示唆された。
(6)配合坐剤(軟膏)からの絞り出し量について
第23回検討会でチューブから絞り出される量の差異が指摘された強力ポステリザン(軟膏)の
後発品について、使用時における絞り出し量の検討結果が報告された(資料24-7)。製剤によっ
て絞り出し量に差が認められるものの、相談に寄せられた差異よりは小さい結果となった。実際
の使用時には、容器の持ち方等によっても絞り出し量が変動すると考えられるものの、容器の柔
軟性や形状も影響する可能性があることから、開発段階等で考慮されることが望ましいとの意見
が出された。
(7)ジェネリック医薬品品質情報検討会開催後の改善状況について
第11回検討会から第23回検討会において検討され、課題が指摘された製剤のその後の改善状況
について報告された(資料24-8)。一部の品目では、製造販売業者より品質改善済との報告があ
った製剤の再試験で溶出挙動の類似性が認められなかったことから、再度品質改善のための検討
を行っていることが説明された。
(8)令和2年度製剤試験WGの検討対象候補品目について
令和2年度製剤試験WGの検討対象候補品目リスト(資料24-9)について、事務局から報告が
なされ、了承された。
4.提出資料