■ 別表第45 PFOS及びPFOAの検査に関する質疑応答集 (Q&A)
令和8年3月31日公開
環境省水道水質・衛生管理室 国立医薬品食品衛生研究所
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1. 試薬
- Q1-1) PFOS及びPFOAの標準原液あるいは標準液は、塩(例えばPFOSナトリウム塩やカリウム塩)としての濃度を基に調製してもよいか。
- A1-1) 塩としての濃度を基に調製しても差し支えない。ただし、その場合はPFOS、PFOAともに酸(C8HF17O3S及びC8HF15O2)としての濃度に換算して報告することに留意すること。
- Q1-2) 分岐鎖PFOS及び分岐鎖PFOAが含まれる標準物質あるいは内部標準物質を用いてもよいか。
- A1-2) 用いてもよいが、直鎖PFOS及び直鎖PFOAを主成分とし、それらの濃度が明確であるものを用いること。
- Q1-3) 標準液にPFHxSなどのPFOS及びPFOA以外の化合物が含まれたものを使用しても問題ないか。
- A1-3) 標準液にPFOS及びPFOA以外の化合物が含まれていても差し支えないが、PFOS及びPFOA分析の支障とならないことを事前に評価しておくこと。
- Q1-4) 標準液及び内部標準液は「冷凍保存し、6か月以上を経過したものは使用してはならない」としているが、保存容器,保存方法,繰り返し使用で留意すべき事項はあるか。
- A1-4) 容器の種類については特に指定はないが、密栓できるものを使用し、保存時は液量(液面)や重量の変化を記録・管理して、溶媒の揮発が起こっていないことを確認すること。また,繰り返し使用にあたっては,一般的に溶媒が揮発しないような配慮(使用後速やかな密栓、冷却しながらの使用など)をして操作することを推奨する。
2. 器具及び装置
- Q2-1) 固相カラムは「陰イオン交換基を被覆したシリカゲル若しくはポリマー系充填剤を詰めたもの又はこれと同等以上の性能を有するもの」とあるが、固相カラムに逆相系のカラムを使用しても差し支えないか。
- A2-1) 逆相系の固相カラムを使用した場合、様々な水質の水道水において妨害物質の除去及び良好な回収率が得られることを実証していないため、原則として陰イオン交換のメカニズムが作用する固相カラムを用いること。
- Q2-2) 液体クロマトグラフの部品・配管等から溶出あるいは移動相に含まれるPFOS及びPFOAのピークを分離させるため、液体クロマトグラフにディレイカラム(リテンションギャップカラム)を取り付けて分析してもよいか。
- A2-2) 取り付けて分析しても差し支えない。その場合は妥当性を事前に評価しておくこと。
「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて」(平成24年9月6日付け健水発0906第1~4号、最終改正:平成29年10月18日付け薬生水発1018第1~4号)
を参照されたい。
3. 試料の採取及び保存
- Q3-1) 採水容器の洗浄に用いる溶媒について「アセトン又はメチルアルコールで洗浄した・・・」とあるが、どちらを使用すればよいか。
- A3-1) 容器の材質に合わせて洗浄溶媒を選択すること。例えば、ポリプロピレン製の採水容器を使用する場合は、アセトンで洗浄すると容器が変形する恐れがあるため、メチルアルコールを用いること。
- Q3-2) 脱塩素処理剤(例えばアスコルビン酸ナトリウム)を添加して検査を行ってもよいか。
- A3-2) 水道水中の残留塩素によりPFOS及びPFOAが分解することはないため、採水時に脱塩素処理を行う必要はないが、アスコルビン酸ナトリウム等で脱塩素処理した試料を検査に用いても差し支えない。その場合は妥当性を事前に評価しておくこと。
「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて」(平成24年9月6日付け健水発0906第1~4号、最終改正:平成29年10月18日付け薬生水発1018第1~4号)
を参照されたい。
4. 試験操作
- Q4-1) 試料や試験溶液に濁質が含まれる場合、フィルターでろ過をしてよいか。
- A4-1) フィルターろ過の操作を行うことに差し支えないが、ろ過時に吸着しないことが確認できているフィルターを用いること。その場合は妥当性を事前に評価しておくこと。
「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて」(平成24年9月6日付け健水発0906第1~4号、最終改正:平成29年10月18日付け薬生水発1018第1~4号)
を参照されたい。
- Q4-2) 回収率を向上させるために容器の洗い込み操作を実施してもよいか。
- A4-2) 実施しても差し支えない。
- Q4-3) 固相カラムの乾燥方法として、空気加圧や吸引による乾燥を行ってよいか。
- A4-3) 空気加圧や吸引で固相カラムを乾燥させた場合、空気由来の汚染を引き起こす可能性があるため、固相カラムの乾燥は窒素ガスを通気して行うこと。
- Q4-4) 固相カラムからの溶出液を濃縮し過ぎた場合は、どのような措置を講じればよいか。
- A4-4) 濃縮し過ぎた場合はメチルアルコールを添加して定容すること(濃縮操作によって溶出液中のアンモニアは揮発していることから,試験溶液はメチルアルコール溶液となる)。
- Q4-5) クロマトグラムのピーク形状を向上させるために試験溶液に精製水を加えて希釈したものを分析してもよいか。
- A4-5) メチルアルコールの試験溶液に水を混合して希釈した場合、容器やバイアルへの吸着のおそれがあるため、試験溶液を水で希釈してはならない。
- Q4-6) 標準品の分析では直鎖PFOS及びPFOAのピークしか確認できなかった場合、分岐鎖PFOS及びPFOAの保持時間をどのように特定して定性すればよいか。
- A4-6) 分岐異性体を含む標準液の入手が可能であれば,それらを測定して保持時間を特定すること。本Q&Aの別紙に分岐鎖PFOS及び分岐鎖PFOAを含む試料の分析条件及びクロマトグラムの例を掲載したので、分岐鎖PFOS及び分岐鎖PFOAの定性の参考にされたい。
- Q4-7) PFOS、PFOAそれぞれの定量下限はどのように設定すればよいか。
- A4-7) 複数の成分を合算して評価する項目の場合は、各成分が基準値の1/10以下の濃度になるように定量下限を設定すること。
「水道水質検査方法の妥当性評価ガイドラインについて」(平成24年9月6日付け健水発0906第1~4号、最終改正:平成29年10月18日付け薬生水発1018第1~4号)
を参照されたい。
- Q4-8) 「PFOS及びPFOA」としての定量下限はどのように表記すればよいか。
- A4-8) PFOS、PFOAそれぞれの定量下限を併記すること(例えば、PFOSの定量下限5ng/L、PFOAの定量下限5ng/Lなど)。また、定量下限が同じ場合、まとめて表記してもよい(例えば、PFOSの定量下限5ng/L、PFOAの定量下限5ng/Lの場合、PFOS及びPFOAの定量下限5ng/Lなど)。
- Q4-9) PFOS、PFOAどちらか一方だけが定量下限以上の濃度で検出された場合、PFOS及びPFOAの定量値をどのように表記すればよいか。
- A4-9) PFOS、PFOAの測定において、検出された化合物の定量値をそのままPFOS及びPFOAの定量値とすること。例えばPFOS、PFOAそれぞれの定量下限を3ng/Lと設定した定量結果がPFOS4ng/L、PFOA定量下限未満であった場合、PFOS及びPFOAの濃度(合算値)は4ng/Lと記載すること。
- Q4-10) PFOS、PFOAの両方が定量下限未満の場合、PFOS及びPFOAの定量値をどのように表記すればよいか。
- A4-10) PFOS、PFOAそれぞれの定量下限のうち高い方の値だけを表記すればよい(例えば、PFOS、PFOAの定量下限がそれぞれ5ng/L、3ng/Lの場合、PFOS及びPFOAは5ng/L未満と表記する)。
5. 検量線の作成
該当なし6. 空試験
該当なし7. 連続試験を実施する場合の措置
該当なし別紙 PFOS及びPFOAの分析条件とクロマトグラムの例
| LC | 機器 | Prominence UFLC (島津製作所) |
| LCカラム | InertSustain AQ-C18 (2.1×150 mm, 3μm, ジーエルサイエンス) |
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| 移動相A | 10 mM酢酸アンモニウム | |
| 移動相B | アセトニトリル | |
| 移動相流量 | B:25% (0-1 min) – B:100% (26-30 min) | |
| 移動相流量 | 0.2 mL/min | |
| カラム温度 | 40℃ | |
| 注入量 | 5 μL | |
| MS | 装置 | LCMS-8050 (島津製作所) |
| 検出器 | SRM | |
| イオン化法 | ESIネガティブモード | |
| その他の MS条件 | ネブライザーガス流量:3 L/min, ドライングガス流量:10 L/min ヒーティングガス流量:10 L/min インターフェイス電圧:-3.0 kV インターフェイス温度:300℃, 脱溶媒温度:500℃ DL温度:250℃, ヒートブロック温度:400℃ コンバージョンダイノード電圧:10 kV CIDガス圧力:270 kPa |

