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議事概要及び公開資料

第9回ジェネリック医薬品品質情報検討会

1、開催日時等
   日時:平成24年9月26日(水) 10:00−12:00
   場所:全国町村会館 ホールA

2、出席者等(敬称略)
   出席委員(10名):
     井関健、緒方宏泰、喜多村孝幸、楠本正明、鈴木邦彦、曽布川和則、
     西島正弘、三上栄一、武藤正樹、山本典男(永井恒司代理)
   欠席委員(2名):青柳伸男、富山雅史
   参考人: 山田良太(日本製薬団体連合会)、長野健一(日本ジェネリック製薬協会)、
        川俣知巳(日本ジェネリック製薬協会)
   事務局: 
    国立医薬品食品衛生研究所: 奥田晴宏(薬品部)、四方田千佳子(薬品部)、
                  阿曽幸男(薬品部)、香取典子(薬品部)、
                  加藤くみ子(薬品部)、
    厚生労働省等: 赤川治郎(審査管理課)、鶏内雅司(審査管理課)、
            黒羽真吾(安全対策課)、下位都詩子(監視指導・麻薬対策課)、
            斎藤和幸(医薬品医療機器総合機構一般薬等審査部)、
            木村宇一郎(医薬品医療機器総合機構安全部)

3、審議概要
(1)開会
   第9回検討会の開会に際し、委員の交代(生出委員から曽布川委員)が紹介された。
   欠席2名に代理出席1名を加えて10名の委員の出席で開会が告げられた。
(2)血圧降下剤の溶出試験結果
   第7回検討会において製剤ワーキンググループ(製剤WG)* での検討対象となった
   血圧降下剤10品目(アムロジピンベシル酸塩錠、ベニジピン塩酸塩錠、ジルチアゼム塩
   酸塩錠、ジルチアゼム塩酸塩徐放カプセル、エナラプリルマレイン酸塩錠、イミダプリル
   塩酸塩錠、トリクロルメチアジド錠、スピロノラクトン錠、アテノロール錠、ドキサゾシ
   ンメシル酸塩錠)の溶出試験結果について、資料9-1のように報告され、内容について
   了承された。
   ドキサゾシンメシル酸塩錠の一部の製剤は、承認された時期等によって条件付き承認を
   受け、品質再評価後に製剤の規格として溶出試験を追加し一部変更承認を受けていた経緯
   があり、一部変更承認前の製剤は本検討会の許容範囲外であった。しかし、現在流通して
   いる一部変更承認後の製剤については国立医薬品食品衛生研究所において追加試験を行っ
   たところ、溶出挙動に問題がなかったことが報告された。
   なお、これまでに行われた試験結果を踏まえ、メーカー側が改善すると回答した製剤に
   関して改善されたことを確認する必要があるとの意見が出され、今後どのように確認する
   か検討することとされた。
   *製剤ワーキンググループ(製剤WG):ジェネリック医薬品の品質に関して、試験検査を
   実施し確認を行うため、国立医薬品食品衛生研究所及び地方衛生研究所の担当者から構成
   されるワーキンググループ。
(3)アミオダロン塩酸塩錠の溶出試験結果
   第8回検討会において検討することとなったアミオダロン塩酸塩錠(抗不整脈薬)の溶出
   試験結果について、資料9-2のように報告され、品質に問題が無いとする内容について了承
   された。本製剤は溶解性が非常に悪く、通常の溶出試験に使用されるpH4.0の0.05 mol/L
   酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液ではなく、より溶けるようにするためにイオン強度がより
   高いpH4.0の酢酸・酢酸ナトリウム緩衝液が使用されている。生体内での溶出も食事等の
   影響を強く受ける可能性があり、十分な溶出性の管理が必要であることが示唆された。
(4)セファゾリンナトリウム注射剤の不純物に関する検討結果
   第2回検討会において、セファゾリンナトリウム注射剤(抗生物質)中の不純物に
   ついて、日本薬局方記載の試験条件に準じた結果を報告したが、さらに欧州薬局方に準じ
   た試験条件、さらにCo-senseシステム-LCMS-IT-TOF(日本薬局方の高速液体クロマト
   グラフィー(HPLC)条件を用いて分離したピークの構造決定が可能な装置)を用いた
   不純物の構造解析の結果について、資料9-3のように報告された。今回の試験条件に
   おいても、後発品の純度に問題がないことが確認された。        
(5)学会等での発表・論文および医薬品医療機器総合機構への相談内容に関する審議
   平成23年10月〜平成24年3月までの間の文献及び学会発表(資料9-4)、および23
   年度下半期の医薬品医療機器総合機構への相談内容(資料9-5)において、明らかに後発医
   薬品の品質に問題があることを示すものはないと評価された。文献等で取り上げられたも
   のにつき、当該文献等の内容のみでは後発医薬品の品質について判断できないため、念の
   ために製剤WGで検討することとした品目は以下のものである。
      □ ファモチジンOD錠(溶出試験)
      □ アロプリノール錠(溶出試験)
(6)その他
   事務局より、排尿障害改善薬であるタムスロシン塩酸塩製剤に関して、広島保険医新聞で
   取り上げられ(参考資料1)、後発品の品質を懸念する文献(参考資料2)が提示されて
   いることから、今後、本検討会で取り上げ、国立医薬品食品衛生研究所にて試験を行う
   ことが提案され、了承された。


4、提出資料

提出資料 資料名
議事次第 pdf
資料9-1  第7回検討会で製剤WGの検討対象となった血圧降下剤の試験結果 pdf
資料9-2  第8回検討会で検討対象となったアミオダロン塩酸塩錠錠の試験結果 pdf
資料9-3  セファゾリンナトリウム注射剤の不純物に関する検討結果 pdf 
資料9-4-1 後発医薬品文献調査報告書(概要) pdf
資料9-4-2 文献一覧表 pdf
資料9-4-3 問題指摘論文集(著作権に関わるため非公開)  
8 資料9-5  医薬品医療機器総合機構後発医薬品相談受付状況 pdf
9  参考資料1 (広島保険医新聞 第433号 2012年3月10日付)  
10  参考資料2 (本田義輝、齋藤秀之:Prog.Med., 26, 890-895 (2006))