1.開催日時等
日時:令和3年9月15日 14:00-15:30
場所:AP虎ノ門 Room A 及び Web
2.出席者等(敬称略)
出席委員(15名):
合田幸広(座長)、宮川政昭、澤木康平、橋場元、東光久、荒戸照世、石井伊都子、伊藤清美、
奥田晴宏、西島正弘、檜垣和孝、武藤正樹、守安貴子、四方田千佳子、渡邊善照
欠席委員 (1名):
野口瑛美
参考人:
吉野文枝(日本製薬団体連合会)、佐藤岳幸、浅見宗俊(日本ジェネリック製薬協 会)、
永井祐子(日本バイオシミラー協議会)
事務局:
国立医薬品食品衛生研究所:本間正充(副所長)、伊豆津健一、吉田寛幸、山本栄一、坂本知昭、
阿部康弘 (薬品部)、石井明子、橋井則貴、柴田寛子、多田稔(生物
薬品部)
国立感染症研究所 :鈴木里和(薬剤耐性研究センター)、石川淳(品質保証・管理部)
厚生労働省 :吉田易範、高畑正浩、沼館慧剛、高橋悠一(医薬品審査管理課)、
山本剛、西村昌洋(監視指導・麻薬対策課)
中嶋有彩(医薬安全対策課)
医薬品医療機器総合機構 :倉持憲路、佐野幸恵、栗林亮佑(ジェネリック医薬品等審査部)、
本田二葉、鳴瀬諒子(再生医療製品等審査部)、
北原淳、木村絵梨、前川佳子(安全性情報・企画管理部)
3.審議概要
(1)開会
委員15名で開会が告げられた。
(2)第24 回検討会で検討対象となった血管収縮剤等の溶出試験結果
第24回検討会(令和2年3月)において選定・了承された9 品目の血管収縮剤等(エレトプリタ
ン錠、ゾルミトリプタンOD 錠、ミドドリン塩酸塩錠、リザトリプタンOD錠、クロピドグレル錠、
サルポグレラート塩酸塩錠、ベラプラストナトリウム錠、アレンドロン酸ナトリウム錠、リセド
ロン酸ナトリウム錠)について、製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG)*にて、それぞれ
4種類の試験液を用いた溶出挙動の検討を行い、その結果が資料27-1のように報告された。
サルポグレラート塩酸塩錠の2製剤(No.8及びNo.20)については、溶出規格には適合するものの
オレンジブック及び先発品の溶出曲線と非類似となった。No.20の製剤については、メーカーより
承認時の溶出挙動と類似であるとの回答があり、データの提出を受けて事務局で類似性を確認し
ていることが報告された。No.8の製剤については、現在、業務改善計画書に基づく業務改善活動
を最優先で行っているため、原因究明のための試験着手に時間を要するとのメーカー回答が報告
され、引き続き事務局で状況の確認を行う方針である旨、説明がなされた。
以上の内容について、確認され了承された。
* 製剤試験ワーキンググループ (製剤試験WG): ジェネリック医薬品の品質に関して、
試験検査を実施し確認を行うため、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所及び
地方衛生研究所の担当者から構成されるWG。
(3)メサラジン腸溶錠の溶出試験結果について
第25 回検討会の文献調査において、課題が指摘された潰瘍性大腸炎治療剤のメサラジン腸溶錠
400mg について、製剤試験WGによる溶出試験が実施され、その結果が資料27-2のように報告
された。
メサラジン腸溶錠は、製剤から溶出した薬物が消化管より吸収される前に大腸粘膜表面の炎症
部位で作用する特殊な製剤であり、作用部位における薬物濃度を確保するため溶出挙動の管理が
特に重要となる。試験対象とした製剤はいずれも『後発医薬品の生物学的同等性試験ガイドライ
ン』にあるpH6.8 の試験液ではほとんど溶出せず、またpH7.2 およびpH7.5の試験液で、全ての
後発品の溶出挙動が先発品と類似の範囲にあることが確認された。一方で本検討ではガイドライ
ンで規定されていない限られたpH範囲(pH7.0, 7.1)の溶出挙動が製剤間で異なる事が示され、
一部患者で消化管内の状態により効果に差が生じる可能性が示唆された。
本製剤については溶出特性に関する情報を医師・薬剤師に周知するとともに、各メーカーは品
質の恒常性を重視し、現在の溶出挙動を維持した製剤を製造することが望ましいとされた。なお
現在使用している製剤で疾患状態が適切に管理されている患者においては、本結果を理由とした
銘柄変更は必要なく、また変更する場合は患者と医療機関との十分な情報共有が重要とされた。
以上の内容について、確認され了承された。
(4)学会等での発表・研究論文及び医薬品医療機器総合機構への相談内容について
後発医薬品及びバイオシミラー(対象期間:令和2年10月~令和3年3月)に関する文献及び
学会発表 (資料27-3、資料27-4)、並びに令和2年度下半期の医薬品医療機器総合機構への
相談内容 (資料27-5) について報告された。
問題指摘文献について議論がなされた結果、検討会で追加検証を要する事項はなかったが、
今後も品質・安全性に関わる情報の収集に努めることが確認された。
(5)後発医薬品の品質確保に向けた取り組みについて
昨今の相次ぐ後発医薬品の大規模な自主回収の事案を受けて、品質課題による安定供給問題
の再発防止に向けた取り組みについて、製剤試験WGでの品目選定方針(資料27-6-1)、及び
厚生労働省での対応方針(資料27-6-2)が説明された。
前例のない規模の安定供給問題を早急に改善するとともに、関連する情報提供を拡充すべき
との意見が委員から出された。行政から品質確保対策を強化しつつ安定供給を担当する部署と
連携し対応を進める旨の発言があった。
4.提出資料