研究内容
食品添加物部では、規格基準の設定や分析法の開発に関する試験・調査業務に加え、分析化学・有機化学を軸とする技術を駆使した、食品添加物および食品用器具・容器包装の品質、安全性を確保するための基盤研究を実施しています。
定量NMR(qNMR)による純度評価と相対モル感度(RMS)を利用した定量分析研究
分析対象物質となり得る有機化合物は数多く存在しており、すべてに認証標準物質(CRM)を供給・入手することは困難です。この課題を解決するため、代替標品による定量法の開発に取り組んでいます。
分析対象物質のサンプルを定量NMR(qNMR)にて純度評価し、入手しやすいCRMとの検出応答の違いを相対モル感度(RMS)として算出します。得られたRMSを用いて、入手しやすいCRMを代替標品として用い、分析対象を定量する分析法の開発に取り組んでいます。
代表的な業績や解説記事
食品などの複雑な試料中に含まれる成分の分析
食品中に含まれる食品添加物の量や、意図しない化学物質の混入の実態を調査するため、食品などの複雑な試料から、目的成分を検出・定量する分析法を開発しています。
食品中には目的の成分(食品添加物)以外にも様々な成分が含まれています。その食品試料に含まれる目的成分を正確に測定するには、夾雑成分の定量値への妨害を除去したり、目的成分のみを選択的に検出したりできる分析技術が不可欠です。そこで、食品試料から目的の成分以外を測定前に除去する前処理や化学反応を利用して目的の成分のみ検出できる技術を利用して、食品中の添加物分析法や食品添加物中の不純物分析へと利用しています。
代表的な業績や解説記事
主成分および、不純物など微量成分の単離、同定、定量研究
食品添加物、食品用器具・容器包装、おもちゃおよび洗浄剤には、最終製品への残存を意図しない物質が含まれている場合があります。各種分離・分析技術を用いて、このような物質の同定や定量を行っています。また、資源を有効に活用するために再利用されたプラスチックが食品に触れる製品へ安全に使用できるよう、その安全性を確認・評価する研究にも取り組んでいます。得られた成果は成分規格作成の基礎資料として活用されています。
代表的な業績や解説記事
品質管理のための合成、反応制御、分子変換研究
食品添加物には、分析用試薬が入手困難となり品質管理が難しくなっているもの、未解明な不純物*や検出が難しい成分を含むものなどが存在します。それらの不純物の化学合成や同定研究、検出反応の制御、誘導体化法による分析研究を行っています。
*未解明な不純物の存在も考慮して品質と安全性が管理されています
代表的な業績や解説記事
- 食用青色1号および緑色3号に含有されうる不純物(m,p-ESBSA)の合成と定量研究
m,p-ESBSAの合成と定量研究
m,p-ESBSAのスルファニル酸異性体合成 - アクリルアミドの誘導体化分析研究
- ニンヒドリン確認試験のためのUHPLC/MS/MSによるルーヘマン紫のモニタリング