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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  3.その他の物質
1)コホート研究
なし。
2)症例−対照研究
なし
3)断面研究
 Nagayama ら(2001)は油症事件発生約30 年後の油症患者16 例に対してポリクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(PCDD)、ポリクロロジベンゾフラン(PCDF)、コプラナーポリ塩化ビフェニル(co-PCB)の甲状腺ホルモンと免疫応答系への影響を調べた。
 1996〜1997 年に、油症患者16 名(男3 名、女13 名:28〜75 歳)と83 例の対照被験者の血液を採取して、血清サンプル中のT3、T4、TSH 値を測定した。また間接免疫蛍光法、ラテックス凝集光学的免疫測定法(LPIA)などを用いて、血液中のリンパ球サブセット、自己抗体、免疫グロブリン値を測定した。
 油症患者における血液中の毒性当量(TEQ)レベルは27.8〜1048.5pg/g 脂肪、中央値は222.4pg/g 脂肪で、対照健常群よりも約7 倍高かった。1 例で血清中T4 値が15.5μg/dL と正常範囲(4.6〜12.6μg/dL)から若干逸脱していたが、全例血清中T3、T4、遊離T4、TSH 値は正常値であった。また血液中の免疫グロブリン(IgA、IgG、IgM)、自己抗体(抗核抗体、リウマチ様因子、LE 因子)、リンパ球サブセットに影響はみられなかった。一方、リウマチ様因子の陽性率は血中TEQ 高値群で増加していた。
 Pavuk ら(2003)は2,3,7,8-テトラクロロジベンゾ-p-ダイオキシン(TCDD)血清中濃度が甲状腺機能に及ぼす健康への影響の可能性を、1962 年〜1971 年のベトナム戦争中に使用されたTCDD に汚染された枯れ葉剤を含む除草剤空中散布作戦(Operation Ranch Hand)に携わった経験のある退役軍人(暴露群)と散布作戦には関わらなかった退役軍人(比較群)を比較して検討した。
 血清中TCDD 値に対するサイロキシン(総T4)、甲状腺刺激ホルモン(TSH)、トリヨードサイロニン取込み率(T3 取込%)、遊離サイロキシン指数(FTI)及び甲状腺疾患について分析した。1982 年、1985 年、1987 年、1992 年、1997 年の5 回の検査のうちいずれかに登録された暴露群1009 例、比較群1429 例からデータを入手した。各被験者は血清TCDD 値に基づいて、比較群、Ranch Hand バックグラウンド群、Ranch Hand 低上昇群、Ranch Hand 高上昇群の4暴露濃度カテゴリーに分類した。
 平均血清中TCDD 値は比較群4.6ppt、バックグラウンド群5.8ppt、低上昇群15.6ppt、高上昇群69.4ppt であった。断面分析では、1985 年と1987 年の検査時にRanch Hand 高上昇群においてTSH 値の統計学的に有意な上昇、1982 年、1985 年、1987 年、1992 年検査時におけるRanch Hand の3 群にわたるTSH 平均値の統計学的に有意な上昇傾向が示された。反復測定分析では、Ranch Hand 高上昇群におけるTSH 平均値の有意な上昇が認められた。血清中TCDD 値の濃度による甲状腺疾患の発生率に有意な関連性はみられなかった。

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