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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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   本結果から、これら地域住民の体内HCB 量は甲状腺機能、酵素誘導活性にわずかな代謝的影響を及ぼしている可能性が示唆された。今後、幼児など比較的感受性群に対するこれら物質の健康への影響を検討する必要がある。
 Hagmar ら(2001)は成人男性において、有機ハロゲン化合物(OHS)の高濃度食事性暴露がホルモン値に影響するかを検討した。1991 年にスウェーデン南東部Riga 湾付近の5 カ所の漁村に居住する漁師(スウェーデン群)男性43 例(23〜69 歳)、1993 年にRiga 市及び内陸部の小農村4 カ所からの一般住民(ラトビア群)男性67 例(24〜79 歳)について調査を行った。魚類摂食量はスウェーデン群で月平均4 食(0〜20)、ラトビア群で月平均6 食(0〜32)であったがいずれも差が大きかった。血漿サンプル中のCB-153 を含むPCB コンジェナー18 種、4-OH-CB107を含むヒドロキシPCB5 種、p,p'-DDT、p,p'-DDE、ヘキサクロロベンゼン、ペンタクロロフェノール(PCP)、BDE-47(2,2',4,4'-テトラブロモジフェニルエーテル)を測定した。また卵胞刺激ホルモン、黄体形成ホルモン(LH)、プロラクチン、甲状腺刺激ホルモン、遊離総T3、遊離総T4、遊離テストステロンの血漿中濃度を分析した。
 年齢による補正後、BDE-47 と血漿中甲状腺刺激ホルモン(p<.001)、PCP と卵胞刺激ホルモン(p=.04)の間にのみ有意な負の相関性が示された。遊離テストステロンとp,p'-DDE、総PCB、総ヒドロキシPCB、HCB との間にも弱い負の相関性がみられたが、年齢による補正後、相関性は有意ではなかった。OHS はLH、プロラクチン、TT3、FT3、TT4、FT4 の血漿中濃度のいずれとも有意な相関性を示さなかった。
 Hagmer ら(2001)は成人女性におけるPCB 値と甲状腺刺激ホルモン(TSH)、甲状腺ホルモンの血漿中濃度との関連性についても調べた。1973〜1991 年に出産したスウェーデン東沿岸における漁師の妻182 例を対象とした。年齢中央値42 歳(23〜62 歳)で、月に2 食(0〜12)はバルト海からの汚染された脂肪魚を摂食していた。免疫蛍光法により、TSH、遊離(FT3)、総(TT3)トリヨードサイロニン、遊離(FT4)、総(TT4)サイロキシンの血漿中濃度を測定した。また電気捕獲検出器を備えたガスクロマトグラフィーにより2,2'、4,4'、5,5'-ヘキサクロロビフェニル(CB-153)の血漿中濃度を測定した。さらにCB-153 値の最高濃度群16 例(275〜776ng/g脂質)と最低濃度群16 例(16〜103ng/g 脂質)については他の20 種のPCB コンジェナーと2 種のヒドロキシPCB についても測定した。
 CB-153 の血漿中濃度(16〜776ng/g 脂質)はTT3 濃度(1.0〜3.0nmol/L)と負に相関した(rs=-0.29、P<0.001)。多変量解析において、年齢に対して補正後においてもCB-153 とTT3の間にはわずかな負の関連性が認められた(p=0.03)。CB-153 とTT4 濃度との関連性は弱く、有意ではなかった(rs=-0.13、p=0.07)。CB-153 は他のいずれのホルモンパラメータとも相関し
なかった。

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