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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  2.Diethylstilbestrol
Diethylstilbestrol (DES)暴露と前立腺がんとの関連についての文献はなかった。

3.農薬暴露者、農業従事者
農薬の種類を特定しない農薬暴露、あるいは職業としての農業と前立腺がんに関する疫学研究の文献は2000 年12 月31 日までは11 件(コホート研究6 件、症例対照研究3 件)であった。
2001 年1 月1 日から2004 年10 月31 日までの間に新たにコホート研究1 件、症例対照研究2件、横断面研究2 件、メタ分析2 件の報告があった。
1)コホート研究
 Morrison ら(1993)のカナダでの農場経営者約14 万人を対象とした後ろ向きコホート研究では除草剤を散布する者の死亡率比は1.19 (95%CI: 0.98-1.45)であった。
 Dich ら(1998)のスウェーデンでの農薬散布者約2 万人を対象とした後ろ向きコホート研究ではSIR は1.13(95%CI: 1.02-1.24)であった。この研究の農薬は主にDDT、lindane などであると記載されている。
 Fleming ら(1999)の米国での農場経営者約3.3 万人を対象とした前向きコホート研究ではSIRは2.48(95%CI: 1.57-3.72)であった。
 Sharma-Wagner ら(2000)はスウェーデンのがん環境登録(Cancer-Environment Resistry)を利用して同国の産業及び職業別のSIR を求めている。その結果、前立腺がんのSIR は、農業及び家畜育成業では1.07(95%CI: 1.02-1.08)、農夫・森林官・庭師では1.07(95%CI: 1.04-1.10)とい
ずれも小さいが有意な増加がであったと報告されている。
 Alavanja ら(2003)による米国ノースカロライナ州及びアイオワ州のAHS(農業健康調査)における男性農薬散布者55332 名のコホート研究では、農薬散布者のSIR の上昇がみられた(SIR:1.14, 95%CI: 1.05-1.24)。
2)症例対照研究
 van der Gulden ら(1995)のオランダでの研究では、農薬使用で有意なリスクの増加はみられていない(OR: 1.47)。
 Krstev ら(1998)の米国での研究では農夫で有意なリスクの上昇がみられている(OR: 2.17)。
 Settimiv ら(2001)によるイタリアの5 カ所の農村地域での病院ベースでの研究では、農業従事(OR: 1.4, 95%CI: 1.0-2.1)と農薬使用(OR: 1.7, 95%CI: 1.2-2.6)で有意なリスクの上昇がみられている。Settimi ら(2003)による別の報告では、農業従事のOR は1.4 (95%CI: 0.9-2.0)となっている。
 このような農業あるいは農薬使用と前立腺がんに関する研究では農薬の種類や暴露量、他の暴露物質などについては詳しくは調べられていないものがほとんどである。
3)横断面研究(エコロジカル研究を含む)
 Wilkinson ら(1997)が英国の農薬工場の周辺の住民のO/E 比が有意に高いことを報告している(1.10, 95%CI: 1.02-1.18)。
 Koifman ら(2002)は、ブラジルの11 州について、1985 年の農薬販売量と1996-1998 年の前立腺がん死亡率の相関をみたが、関連はなかった(r=0.67, 95%CI: -0.20-0.83)。
 ただし、いずれも暴露物質や暴露の程度ははっきりしていない。
4)メタ分析
 Van Maele-Fabry ら(2003)は、農業従事者に関する22 の研究(コホート研究11、PMR 研究4、症例対照研究7)の25 の推定値を利用して、農業従事者のmeta-rate ratio 推定値を算出したところ、1.13 (1.04-1.22)と有意にリスクの上昇がみられた。

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