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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  3)後ろ向き症例対照研究
 人口ベースの研究では、Millikan ら(2000)は黒人のみでPCB によるリスクの上昇を報告している。また、Romieu ら(2000)のメキシコでの研究ではDDE によるリスクの上昇がみられている。カナダのDemers らの2000 年の研究では、総PCB とは関連を観察していなかったが、2002 年の詳細な解析の結果、血漿PCB118 、PCB156、またmono-ortho-PCB 同族体のレベルが高い群での有意なリスク上昇を観察している。一方、Pavuk ら(2003)は、Wolff 分類の第1 グループ(PCB28、52、101)の血清レベルが高い群でのリスク低下を報告している。米国のGammon ら(2002)はPCB と有機塩素系農薬類でリスクの上昇を観察していない。また有機塩素系化合物の暴露源として居住地や居住期間、魚摂取などを代理の暴露指標とした研究において、Brody ら(2004)は居住地区周辺で使用された農薬の暴露と乳がんリスクの間に有意な関連を観察していないが、McKelvey ら(2004)は居住期間が長いこと、McElroy ら(2004)は閉経前女性において米国5 大湖で捕れた魚を摂取していることの間に有意な関連を観察している。
 病院ベースの研究は29 件と多いが、何らかの有意なリスクの上昇を観察した研究は半数程度である。Moysich ら(1998)は全PCB 、PCB ピーク数、中程度塩素化PCB で、Liljegren ら(1998) は閉経後かつエストロゲンレセプター陽性症例においてPCB77 、HCB で、Olaya-Contrerasら(1998) はDDEで、Moysichら(1999)はPCB高濃度暴露群かつCYP1A1-val キャリアーで、Stellman ら(2000)はPCB183 で、Aronson ら(2000)は閉経前症例においてPCB105、PCB118 で、Wolff ら(2000) はDDT で、Woolcott ら(2001)はエストロゲンレセプター陰性症例においてDDE で、Charlier ら(2002) はDDT とHCB で、Brophy ら(2002)は55 歳以下の農業従事経験者で、Charlier ら(2004)はp,p’DDE とHCB で、各々有意なリスクの上昇を観察している。またCharles ら(2001)はDDE で、Mathur ら(2002)はHCH 類、Heptachlor、Aldrin、DDE 、DDD 、DDT などで、各々症例の血中レベルが有意に高いことを報告している。一方McMready ら(2004)は、PCB 類など19 種類の有機塩素系化合物とCYP1A1 やGSTM1 など7 種類の遺伝子多型について、乳がんリスクとの関連、さらにそれらの相互作用を検討し、PCB105、DDE で有意なリスクの上昇を観察し、GSTM1 とOxychlordane 、HCB 、β-HCH の間に有意な相互作用を観察している。しかし最終的に対象者数が少ないこと(症例70 人)と検定を多く繰り返しているため、遺伝子多型により有機塩素系化合物による乳がんリスクが修飾を受けるとは結論できないと報告している。Holford ら(2000) は、PCB156 で有意なリスク低下を観察しているが、その他の研究、他の物質では乳がんリスクとの有意な関連はみられていない。

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