厚生労働省
医薬食品局審査管理課
化学物質安全対策室
LastUpdate:2016/3/31
内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2
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4 生体暴露量の考え方
生体暴露量は、健康リスクを考える上で重要であるが、生体試料中の化学物質の測定値の解釈に当たっては、以下の点に留意する必要がある。
まず、当該化学物質の生体内、特に血中の半減期を勘案して測定値を評価せねばならない。例えば、BPA は、生体内から速やかに排泄されるので測定値が必ずしも最大暴露量を意味しない。
また、生体内での代謝も重要である。例えば、フタル酸は、体内で速やかにモノエチル、ジエチル体に代謝されるので、血中のフタル酸を測定するのではなく、その代表的な代謝産物の血中の値のほうが、より生体暴露量を正確に反映することがある。今後は、尿中代謝産物をマーカーとして逆に生体暴露量を推計する方法も検討すべきであろう。
次に、試料そのものの採取時の汚染の問題が挙げられる。生体暴露量の測定は、試料中の微量な化学物質を検出する必要があり、その精度を確保するためにも、この問題は避けて通れない。試料採取の器具の選択も重要であるが、案外見逃されているのは、試料を採取する場所・室の空気の汚染の問題である。この問題を解決するためには、同様な測定系を用いたブランク試料の測定値、いわゆるバックグランド値に常に注意を払う必要があろう。
分析ガイドラインに沿った測定法を用いても、化学物質の測定に関してはその精度管理が欠かせない。このためには上述のバックグランド値、採取時の試料の汚染の問題のほかに、同一試料のダブルチェック測定を適宜行う必要がある。
生体試料の測定値は、必ずしも真の生体内の物質濃度を意味しないことがある。例えば、測定物質に対してエピトープを有する抗体との抗原-抗体反応を応用する測定法であるELISA 法やRIA 法ではその絶対値が高値に測定されることがある。
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