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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  グローバルアセスメントにも明らかなように、免疫・感染防御系に関する知見は乏しい。未発表データとして見出されるものとしては、@ 成体マウスを使ったin vivo33におけるDESの影響34、A 胎児胸腺器官培養によるDES、エストラジオール、BPA、p-n-オクチルフェノール、ベンジルn-ブチルフタレートなどの化学物質のリンパ球のT細胞増殖分化への影響35、B 同じく5種類の化学物質の脾臓T細胞の増殖に及ぼす影響などについて検討した結果、T細胞の早期の増殖・分化に抑制的な影響を与えるという。胎児系では、妊娠マウスに飲水投与でBPA(2.5ug/ml及び10.0ug/ml)を投与し、その胎児の免疫系への影響をみた実験によれば、免疫系の発育を遅延させていると考えられる変化が観察されるという36。またリンパ球のB細胞系については、ノニルフェノール(NP)、BPA、フタル酸ブチルベンヂル(BBP)、フ
タル酸ジブチル(DBP)といった物質の、マイトジェンのIL-2、IL-10、IFN-γなどのサイトカイン産生に対する影響が、低用量域まで観察され、このときBPAでは、細胞内カルシウムイオン濃度が上昇し、タンパク質のチロシンリン酸化が併行して起こっていることが確認されている37
神経系では、神経幹細胞にERα、ERβなどが発現していることが従前より報告されている。これを用いて、DES暴露後のその分化・自己複製能が低下している旨の未発表データも見られる。前駆細胞にはオーファン受容体RVR、TR4などの発現が見出されているが生物学的背景は明らかでない。性分化に及ぼす神経内分泌学的な影響研究が進展しているが、
 
33 生体個体レベルでの実験。
34 Utsuyama M, Kanno J, Inoue T, Hirokawa K. Age/sex dependent and non-mnotonous dose-response effect of diethylstilbestrol on the immune functions in mice. Toxicol Lett. 135: 145-153, 2002.
35 T 細胞系機能については、高酸素下器官培養システムにおける、胎児胸腺細胞(CD44+CD25-)から亜集団(CD44+CD25+)への分化・増殖が、0.01-1nM 程度の低用量のDES やBPA の添加によって抑制されたとされている。
36 新規未発表データ。
37 Yamazaki T, Ezaki O. Effect of endocrine disruptors on lymphocyte responses. Organohalogen Compounds. 56: 107-110, 2002. / Yamazaki T, Okada Y, Hisamatsu Y, Kubota S, Kayama F. Effects of endocrine disrupting chemicals on lymphocyte responses. Organohalogen Compounds. 49: 394-396, 2000.

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