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LastUpdate:2016/3/31
 
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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  ヒトでの発がん性に予防効果が期待されているいわゆる植物ホルモン(phytoestrogens)については、そうした予防効果の反面、(日常用量との乖離は大きいものの)高用量では機構上はエピジェネティックな発がん促進効果を持つことを示唆する指摘も散見される。後者のエピジェネティックな発がん促進効果については不明の点が少なくないが、これらが植物ホルモンの二面性の作用機構を意味するものか、それとも投与時期などによって変動する生体の側の生物学的な要素に起因するものか、乖離した二つの効果を説明する要因は現在明らかでなく、なお文献検索などの検討が必要である。
 膜受容体の発見5は、オルファニデスらによって指摘されていた、核内受容体での説明が困難だった、遺伝子機能を介さないホルモン様作用6の理解を助ける役割を果した。さらに細胞内小器官である小胞体の膜にもER が局在し7、急峻な反応に対応することが明らかになってきた7。これらの発見は、内分泌かく乱問題における、現状で未知の要因の介在を念頭に置いた検討を進めることの意義を喚起した。

 以上の背景的事項にも明らかなとおり、内分泌かく乱化学物質問題は、その基本的存在が確認され、メカニズムの面からもその基礎の一端が解き明かされるに伴って、低用量問題に関する研究の動向は、胚細胞期、胎児期・新生児期・思春期での影響を糸口にして、よりメカニズムを明らかにする中で解決を迫る方向に進んでいる。これらの認識にもとづいて、ここでは、内分泌かく乱化学物質問題の課題が集中しているいわゆる“高次生命系”、すなわち 内分泌系・免疫系・神経系など8での生体影響、もしくはその蓋然性に焦点をあてて、関連する新たな知見の概括を試みた。

 
5 Zhu H, Rice C, Pang Y, Pace M. Tomas P. Proc Nat’l Acad Sci USA. 100 : 2231-2236, 2003.
6 ノンゲノミック(non-genomic)な機構(Moggs and Orphanides, EMBO Rep. 2: 775-781, 2001).
7 Revankar CM, Cimino DF, Sklar LA, Arterburn JB, & Prossnitz ER. A transmembrane intracellular estrogen receptor mediates rapid cell signaling. Science 307: 1625-1630, 2005.
8 高次生命系は、発生・生殖面をはじめとした時間軸や、メモリー機構、多細胞間情報ネットワークを構成する機能軸などが特徴と考えられる。

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