【検出下限・定量下限】
検出下限は、後述のごとく操作ブランク中のDBP 及びDEHP 濃度を低減化できるので、DBP、BBP、DEHP は3 ng/g
に、DiOP、DiNP は20 ng/g に設定する。また、定量下限は、DBP、BBP、DEHP は10 ng/g
に、DiOP、DiNP は50 ng/g に設定す【注解】
注1 PAE は、ポリ塩化ビニル製樹脂(PVC)等に使用されている可塑剤の一つである。
PVC
は家庭用品や建築材として広く使用され、これらからの揮散あるいは溶出により環境汚染が問題になっている化合物である。したがって、環境から混入するブランク値が問題となるため、分析を実施する上では特に操作ブランク値の低減化に注意を払う必要がある。
操作ブランクの低減化に関して、以下の項目が有効であることが判明している。これらの項目に注意を払わない場合には、操作ブランクのSIM
プロファイル上に100 ng/mLレベルのDBP 及びDEHP
が出現するのに対して、これらのことを実施すると、操作ブランク値が、それぞれ10 ng/mL
以下に低減されるので、本試験法を実施する際にはこれらの点に留意して実験を行うこと。
a)使用する水は、フタル酸エステル試験用のn-ヘキサンで洗浄した蒸留水を使用する。
b)ホールピペット及びメスフラスコ以外のすべての実験器具(エバポレーターのトラップも含む)は、200℃、2
時間加熱し、放冷した後に、使用する直前にフタル酸エステル試験用のn-ヘキサンで洗浄する。なお、n-ヘキサン洗浄は手が器具に直接触れないように、ピンセットを用いて実施する。 |