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LastUpdate:2016/3/31
 
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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  4 必要な研究の提言
 有機塩素系化合物など内分泌系に作用することが試験管内実験などで示されている化学物質による人への健康影響を知る上で、疫学研究からの知見は極めて乏しいのが現状であったのに加え、日本人を対象とした研究はほとんど存在しなかった。しかしながら、欧米においては、PCB や残留有機塩素系農薬の健康影響に対する強い関心から、特に、乳がんを対象として、コホート研究内で保存されている血清を用いた症例対照研究や生体試料測定を含めた大規模な症例対照研究などが複数行われており、重要な科学的根拠を示している。有機塩素系化合物などの化学物質の暴露状況、健康影響が懸念されている疾病の罹患状況、あるいは、エストロゲンなどの内因性ホルモンのレベル、経口避妊薬などの合成ホルモンの使用状況、大豆など植物由来のエストロゲンの摂取量など、交絡要因となり得る要因が大きく異なり、更には、遺伝的素因も異なる可能性のある日本人において、このような化学物質の暴露による健康影響が存在するか否かを検証する事は、極めて重要と考える。現在、厚生労働科学研究費補助金(化学物質リスク研究事業)による研究班において、乳がん・子宮体がん・尿道下裂・停留精巣・子宮内膜症などの症例対照研究や精子数に関する断面研究、そして、比較的高濃度の化学物質暴露を受けている職域集団における内分泌系への影響を検討する断面研究などが進行中であり、今後その成果が発表されるものと期待されるが、研究デザイン(症例対照研究や断面研究である)や研究数(各疾病1つ程度)を考えると、それらの結果のみでは、このような化学物質の暴露による健康影響についての十分な証拠を得ることは出来ない。
 このような状況を脱し、我々人間社会に現実に存在し得るレベルでのこのような化学物質による人への健康影響に関して、より質の高い科学的根拠を得るために、以下の様な疫学研究を推進する事を提言する。

(1)化学物質暴露と疾病の現状把握とモニタリング
 有機塩素系化合物などの化学物質の人への暴露状況について現状を把握するために、日本国民を代表し得る対象者を設定し、生体試料中の化学物質濃度を測定する。また、今後、定期的に実施し、このような化学物質のの暴露状況を継続的に監視することが望まれる。例えば、国民栄養調査の調査項目を拡大し、国民の健康を脅かす可能性のある化学物質の血中濃度などの測定を含めて行く事が考えられる。

*米国CDC 傘下のNational Center for Health Statistics が定期的に実施する National Health and Nutrition Examination Survey の1999-2001 実施の調査 NHANES 1999-2001においては、Environmental Health Profile として、血清や尿中の残留農薬、PCB、ダイオキシン類、植物エストロゲン、フタル酸、多環芳香族炭化水素などの測定を含めている。

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