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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  [免疫機能への影響]

2−13 免疫機能(アレルギー)への影響

〔要旨〕
 内分泌かく乱物質とアレルギーに関する疫学研究の現状について文献的考察を行った。米国立医学図書館の医学文献データベースPubMed を利用して選択した文献は2004 年10 月31 日までに5 件で、コホート研究3 件、症例対照研究1 件、横断研究1 件であった。日本人を対象とした研究は1 件もなかった。文献的に考察した結果、バックグランドレベルのPCB・ダイオキシン暴露がアレルギーを減少するとのコホート研究が3件あり、逆にさい帯血のIgE を検討した横断研究や、高濃度暴露群での症例対照研究ではアレルギーを促進する方向に関連していた。現時点では、成人期の大量のPCB 暴露はアレルギーを増加し、胎児期、乳幼児期のバックグラ
ンドレベルのPCB・ダイオキシン暴露はアレルギー減少する方向に働くことが考えられるが、報告が少なく、結論は得られない。アレルギーへの影響については研究に乏しく、今後、日本でも前向きの疫学研究で検証する必要がある。

〔研究目的〕
 PCB、ダイオキシン等の有機塩素系化合物の中には免疫系に影響を与え、ひいては近年のアレルギー性疾患の罹患率の上昇に影響を与えることが示唆されているものがある。PCB 等の有機塩素系化合物などの化学物質とアレルギーへの影響に関する疫学研究の現状を把握する目的で、文献レビューを行った。

〔研究方法〕
 米国立医学図書館の医学文献データベースPubMed
(http://www.ncbi.nlm.nih.gov/entrez/query.fcgi)をもちいて(allergy OR atopy) AND (insecticides OR pesticides OR chlorinated hydrocarbons OR PCBs OR phenol OR phthalate OR styrene OR furan OR organotin OR diethylstilbestrol OR ethinyl estradiol) AND (human)のキーワードで文献を検索した。候補論文のなかからヒト集団を対象とする疫学研究の原著論文を同定した。さらに、これらの原著論文や、他の総説論文に言及されている論文を選択した。台湾油症の研究では、PCB の大量暴露が皮膚アレルギー性疾患の罹患率の増加に関連し、スロバキアの研究でもPCB 暴露がさい帯血IgE 濃度の上昇に関連し、PCB 暴露がアレルギー性疾患へ関連することが示唆されていた。しかし、オランダの2つのコホート(3論文)では、バックグランドレベルのPCB・ダイオキシン暴露がアレルギーを減少させるとしている。今後、さらにアレルギー性疾患への影響を検討する必要がある。

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