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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  〔考察〕
 今回レビューで取りあげた文献30 件中22 件(73%)が何らかの精子への影響を示していた。農薬では13 件中10 件で関連を示していたが、その多くが暴露レベルの高い職業性の集団を対象としたものであった。有機塩素系化合物では6 件すべてで何らかの関連(有意差検定なしも含む)を認めていた。これらの対象集団は、高レベルの暴露を受けた油症の1 例を除くと、顕著な暴露要因を認めない集団(健常若年男性と男性不妊関連)であることから、有機塩素系化合物の暴露については一般環境下で男性生殖機能への影響が既に顕在化している可能性が示唆された。一般環境における化学物質等の暴露の程度を知るには、高レベルの暴露を受けた特殊な集団ではなく、健康な一般集団あるいは明確に定義された種々の男性集団を対象とした調査研究が今後さらに重要性を増すと考えられる。最近の研究では、精子への影響を評価する指標として、精子の数に関するパラメータ(精子濃度、総精子数)以外に精子の運動率や正常形態率、CASA
による精子運動性パラメータ、FISH 法で検出した精子核染色体異数性頻度、コメット法による精子核DNA 断片化率等が加わるようになり、その多くは精子数よりも感受性の高い指標である可能性が示唆されている。今後は、より詳細な精子パラメータの分析に加え、精子形成に関連した新たなバイオマーカの開発とこの分野の研究への応用が期待される。

〔結論〕
 内分泌かく乱化学物質等の化学物質と精子との関連を扱った疫学研究について文献的考察を行った。2004 年のまでの文献が考察の対象となったが、2000 年までに比べて、検索されてきた文献そのものが増加したことと、前回は関連なしという研究が多かったのに比べ、今回は化学物質と精子の質の低下との間に関連を認める文献が多数検索されたことが異なる点であった。しかしながら、農薬にしても有機塩素系化合物にしても、単なる精巣毒性と内分泌かく乱作用との違いをこれらの文献から区別することは、困難である。内分泌かく乱化学物質の影響評価のための方法論の整備と目的の明確な研究デザインによる疫学調査の必要性が示唆された。

〔参考文献〕

〔表2-11-1 内分泌かく乱化学物質と精子数に関するコホート研〕

 
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