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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  5.その他の有機溶剤等
 Kurinczuk とClarke(2001)は、不妊外来診療を受けた男性を対象としたイングランドのコホート内症例対照研究において、有機溶媒を大量に使用する皮革業に従事する群とそれ以外の業種で有機溶媒を使用する業種群と使用しない業種群に分けて精子パラメータの数値及び精液所見に異常のある症例の比率を比較した。不妊男性の中で皮革業の男性はそれ以外より1,10 倍、有機溶媒使用者はそれ以外より1.73 倍割合が高かった。しかし、精子パラメータの数値及び乏精子症、精子無力症など比率は対象群と皮革業群及び有機溶媒使用群との間に有意差は認められなかった。Wang ら(2000)は中国南東の揚子江近郊地域において、暴露群と石油化学工業従事者と非暴露群(繊維工業従事者)を対象とした横断研究で、石油化学物質の職業性暴露と喫煙の精液の質への影響をみた。暴露群はその製造工程及び環境モニタリングのデータから、低レベルのガソリン、スチレン、ベンゼン、トルエン、キシレン、酢酸、アセトアルデヒド他に暴露されていた。対照群に比べて、暴露/非喫煙群は精子運動性が有意に低く、暴露/喫煙群は精子濃度、総精子数、精子運動率のすべてが有意に低下していた。さらに精子濃度と暴露及び喫煙の期間との間に負の相関が認められた。

6.その他
 Leary ら(1984)は、米国Mayo Clinic の医療記録にあるDES に胎内暴露した男性を対象にその後の生殖異常の発症に関するコホート研究を実施した。精液検査を実施した暴露群と非暴露群間で、精子数、他の精子パラメータの異常及び他の生殖異常(理学的所見の異常、生殖器の奇形)に有意差を認めなかった。
 Selevan ら(2000)は、大気汚染と生殖機能との関連を調べる目的で、チェコの高度に工業化が進んで季節によって大気汚染度合いが変動する地区と、比較的空気が清浄な地区にそれぞれ6ヶ月以上住む18 歳の男性を対象に生殖機能調査を行った。両地区に住む男性の精子濃度に有意差は認められなかったが、大気汚染の程度の高い地区での居住期間が長くなると、精子の形態と運動性に関して劣化が進む傾向が認められた。
 アメリカ合衆国の不妊の要因を認めない健康な男性を対象とした断面研究(Fenster、2003)では、トリハロメタンの暴露量(水道水中の総トリハロメタン濃度×飲水量)で集団を3 群の層別化すると、最高レベルの群では最低レベルの群と比較して精子の正常形態率が有意に低下していた。個々のトリハロメタンとしてはブロモジクロロメタンが精子の直進性と逆相関を示した。
 Younglai ら(2002)は、カナダで体外受精を行った夫婦の卵胞液、血清、精漿中の環境汚染物質の濃度を測定し、p,p'-DDE、ミレックス、ヘキサクロロエタン、1,2,4-トリクロロベンゼン、PCB-49、PCB-153 お、PCB-180、カドミウム、エンドスルファンI、等を検出した。精漿サンプル中に最も高頻度に検出された汚染物質はミレックスであったが、受精率との関連は認めら
れなかった。精液所見との関連は検討していない。
 オランダの妊孕能のある男性(妊婦の配偶者)と不妊男性を対象とした症例対象研究(Wong、2003)では、職業と住環境、生活様式、食生活、病歴、家族の生殖に関する情報等の項目を含むアンケートの回帰分析により、各種暴露因子と精子数との関連を検討した結果、精子減少のリスク因子として、農業及び溶接業への従事、抗生物質の使用、おたふく風邪、胃腸疾患、果物・野菜の摂取不足、家族因子としての女性の生殖系疾患を挙げた。

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