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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  2.農薬
 農薬と小児神経発達との関連を検討した研究は、2001 年1 月1 日から2004 年10 月31 日までの間に3 件の報告があり、断面研究、症例対象研究、地域相関研究が各1件ずつであった。
1)断面研究
 Perera ら(2003)は、アフリカ系アメリカ人116 例、ドミニカ人146 例を対象に、環境喫煙(ETS)、多環式芳香族炭化水素(PHA)と有機リン酸系殺虫剤による出生前暴露が児の出生児の体重、頭囲、身長などの基本的なアウトカムに及ぼす影響について検討した。PHA は各被験者の室内サンプリングによる室内PHA をモニタリングし、ETS は血漿中コチニン濃度を測定し、有機リン酸系殺虫剤は血漿中のクロルピリホス値より推定した。交絡因子で調整後、アフリカ系アメリカ人では、多環式芳香族炭化水素(PHA)の高濃度出生前暴露は出生時低体重(p=.003)、頭周囲低値(p=.01)に有意に関連していた。クロルピリホスは被験者全体における出生児体重と出生児体長(p=.01,p=.003)、アフリカ系アメリカ人における出生児体重(p=.04)、ドミニカ人における出生児体長(p<.001)の低下に関連した。PHA とクロルピリホスは出生児のアウトカムに対する有意な独立した決定因子であると考えられた。
2)症例対照研究
 Ruckart PZ ら(2004)は、ミシシッピー州とオハイオ州の住居で害虫駆除のために違法で使用されていた有機リン殺虫剤であるメチル・パラチオン(MP)と子どもの神経行動学的発達との関連を評価した。 1994年にオハイオの1郡、1996年から1997年にミシシッピーの29郡において、住居にMP が撒かれたときに6歳以下であった子供251 名を暴露群とし、同じ地域の児401 名を対照群とし、Pediatric Enviromental Neurobehavioral Test Battery (PENTB)を実施した。その結果、暴露されていた子ども達は短期記憶や注意に関するテストの成績が有意に低下していた。さらに暴露されていた子ども達の親は、暴露されていない子ども達の親に比較して、自分の子ども達がより行動や運動機能の問題があると報告していた。しかし、これらの結果は両地域で一貫してみられたわけではなかった。また一般的な知能、視覚と運動機能の統合、多段階の処理では両者の違いは全く見られなかった。以上のことから、MP が子供の短期記憶と注意の微妙な変化と関連し、また運動機能といくつかの行動についての問題に寄与する可能性を示唆するが、この結果は決定的ではないと報告している。

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