4 今後の展望
(1)スクリーニング試験
当初は、技術的、時間的問題から、エストロゲン受容体に関わる試験法を優先して扱ってきた。それに続いてアンドロゲン受容体系と甲状腺受容体系に関わる試験系が充実されつつある。実際に、我々の体の中にある内分泌関連受容体は、この他にも多数あることから、包括的なスクリーニングが必要であることは、当初から指摘されてきたところである。 |
今後は、複数の受容体系を取りこぼしなく包括するための強化スキームを検討する。すなわち、複数の受容体シグナル系に対する影響、及び系統間のクロストークの問題をより効率的に検討可能とするため、従前の各項目に現在利用可能な系を投入する。具体的には、実際にタンパク質の構造や、分子そのものが利用出来ない受容体系を考慮した網羅的検討としてマイクロアレイ技術を用いたパスウェー・スクリーニング12を第4
の項目として追加することを検討する(図)。 |
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なお、スクリーニング段階では偽陽性を容認し、むしろ偽陰性の回避を念頭にスキームを構築している。例えば、in silico
スクリーニングにおいては、アンタゴニスト結合時の受容体構造(ポケットが広い)を用いるなどの方策により偽陰性を極力減らしている。優先順位付けは、複数のバッテリーであるスクリーニング試験の結果をソーティング(並び替え)することにより行うため、個々の試験について陽性・陰性の判別基準を設定する必要性(いわゆる線引き)は大きくないが、活性が既知の物質のデータが新たに取得されるたびに、必要があれば判別基準を見直すことで、精度の向上(偽陰性の判定を最小限にする)を図る。 |