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中間報告書追補その2

 

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3 研究の進捗状況及び得られている成果
(1)スクリーニング試験
ア In silico スクリーニング試験(@)
「受容体分子への結合性」を検討するスクリーニング試験法については、ハイスループット性に優れるin silico による3次元構造活性相関(SAR)手法について検討された。事前調査の結果、エストロゲン受容体(ER)αに関する自動ドッキングモデルを採用し、その改良研究を加えた。その上で、バーチャルスクリーニングを実施し、ERαに結合する可能性のある物質の抽出を行った。
 今までに、ERαについて、約200,000 化学物質リストの中から、約2,000 物質が結合候補物質としてリストアップされた。現在、更に計算手法を改良し、あるいは17β-エストラジオールに対する相対結合能を推定する試みが成されている。
 また、ERβについてのin silico ドッキング計算法を開発し、ERαとの比較検討に入っている(菅野班)。
 In silico スクリーニング法に関するガイドライン及び評価基準の整備に向けての作業は、以下のような経緯の延長線上で進められている。すなわち、十分な事前調査により、従来から汎用され、米国EPA が採用したCoMFA 法を初めとする一連のリガンド構造解析・回帰モデル型の手法を避け、あえて、受容体−リガンド相互作用を計算するDocking 法を採用した。
 前者は、特定のリガンドの活性測定値に基づいたリガンド分子の形状に関わる統計学的な分析を行う。そのために、受容体の分子構造が未知の系に対しても検討を加えることができる特徴を有する。反面、統計分析に資するデータを作出するためにどの様な化合物を「教師」として用いるかにその予測性能が依存する、言い換えると、用いた教師化合物に類似した構造の化合物にしか適応できない傾向が強い。
 後者には、受容体の構造が既知である必要がある、相互作用計算理論が複雑かつ完璧ではなく、計算自体も煩雑になる傾向がある、という制限がある。有利な点としては、現状では「教師」化合物を用いているが、システム完成時には「教師」化合物を用いることがないため、予想するリガンドの構造的制限が無い点があげられる。実際に、計算による予測と幾つかの測定系による実測値との照合の結果、偽陽性を容認するスクリーニングの立場からは、利用可能であることが示されている。

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