1.開催日時等
日時:令和元年11月7日(木) 14:00-16:10
場所:全国町村会館 ホールB
2.出席者等(敬称略)
出席委員(13名):
奥田晴宏(座長)、澤木康平、東光久、荒戸照世、石井伊都子、伊藤清美、西島正弘、
野口瑛美、檜垣和孝、村田正弘(武藤正樹代理)、守安貴子、四方田千佳子、渡邊善照
欠席委員(2名):
長島公之、村松章伊
参考人:
吉野文枝 (日本製薬団体連合会)、伏見環、浅見宗俊 (日本ジェネリック製薬協会)、
永井祐子(日本バイオシミラー協議会)
事務局:
国立医薬品食品衛生研究所:合田幸広(副所長)、伊豆津健一、吉田寛幸、坂本知昭、
阿部康弘 (薬品部)、石井明子(生物薬品部)
国立感染症研究所 :鈴木里和(薬剤耐性研究センター)、石川淳 (真菌部)
厚生労働省 :山本史、高畑正浩、高橋悠一、田中克哉 (医薬品審査管理課)、
太田和(監視指導・麻薬対策課)、治田義太郎(医薬安全対策課)
医薬品医療機器総合機構 :廣田光恵、高木和則、佐野幸恵(ジェネリック医薬品等審査部)、
本田二葉、榎田綾子(再生医療製品等審査)、
上田博文、村越功治、木村絵梨(安全性情報・企画管理部)
3.審議概要
(1)開会
委員12名に代理出席1名を加えた13名で開会が告げられた。新たな委員として就任した、東光久委
員、荒戸照世委員、石井伊都子委員、伊藤清美委員、野口瑛美委員が紹介された。また、今回の検討会
からバイオシミラーの品質に関する課題についても、化成品であるジェネリック医薬品と同様に議論を
行っていく旨説明がなされた。それに伴い、参考人として日本バイオシミラー協議会、事務局として国
立医薬品食品衛生研究所の生物薬品部が新たに参画することが紹介された。
事務局から、バイオシミラーの文献学会調査について、次回の検討会で議論できるよう準備を進めて
いることが報告された。また、監視指導・麻薬対策課から後発医薬品品質確保対策事業の一環として、
バイオシミラーについても品質検査を実施する予定であるとの説明があった。
(2)第20回検討会で検討対象となった血圧降下剤等の溶出試験結果報告
第20回検討会(平成30年3月)において選定・了承された10 品目の降圧剤(フロセミド錠、テモカ
プリル塩酸塩錠、リシノプリル水和物錠、アゼルニジピン錠、カルベジロール錠、テルミサルタン錠、
バルサルタン錠、マニジピン塩酸塩錠、メトプロロール酒石酸塩錠、ロサルタンカリウム錠)につい
て、製剤試験ワーキンググループ(製剤試験WG)*にてそれぞれ4種類の試験液を用いた溶出挙動の
検討を行い、前年度に報告できなかった1 品目の抗菌薬(セフジニルカプセル)とともにその結果が
資料23-1のように報告された。
リシノプリル錠10mgの先発1製剤、テルミサルタン錠40mgの後発3製剤、マニジピン塩酸塩錠10
mgの後発1製剤、セフジニルカプセル100mgの先発1製剤、後発5製剤が、溶出規格には適合するもの
の、比較対象となる先発、あるいはオレンジブックの溶出曲線と類似の範囲にないことが確認され、
メーカーへの状況確認がなされた。なお、一部の製剤は承認時に先発と溶出挙動が非類似で生物学的
同等性(BE)試験によりBEが確認され承認されていた。当該メーカーに溶出挙動の確認を行い、必要
に応じて改善対応が行われることとなった。なお、承認時の自社製剤と現在流通品の溶出挙動が類似
であると報告があった製剤については、データの提出を受けて事務局で類似性を確認していることが
報告された。
また、メーカーが今後改善を行うと報告された製剤については、一定期間後に製剤試験WGで再度
評価を行う予定である旨、説明がなされた。
複数の委員から、ロサルタンカリウム錠の事例のように、指標となる先発の溶出挙動が開発時から
変化している可能性について問題提起がなされた。これを受け、製品ライフサイクルを通した生物学
的同等性確保の観点から先発メーカーに状況を照会する方針で意見が一致した。
また、委員からいわゆるオーソライズドジェネリックに該当する製剤がどれであるか分かるように
して欲しいとの要望がなされ、事務局内で検討することとなった。
以上の内容について、確認され了承された。
* 製剤試験ワーキンググループ (製剤試験WG): ジェネリック医薬品の品質に関して、試験検査
を実施し確認を行うため、国立医薬品食品衛生研究所、国立感染症研究所及び地方衛生研究所の
担当者から構成されるWG。
(3)製剤試験WGの検討対象となった製剤の再試験結果報告
これまでの検討会において溶出挙動の課題が指摘された後、各メーカーによる品質改善の対応がな
された製剤4品目(ゾルピデム酒石酸塩錠、ゾピクロン錠、パロキセチン錠、ジアゼパム錠)及びクラ
リスロマイシン錠について、溶出挙動の検討を実施した。いずれの製剤も先発またはオレンジブック
の溶出と類似の範囲にあり、適切な改善がなされていることが確認された(資料23-2)。
以上の内容について、確認され了承された。
(4)学会等での発表・論文及び医薬品医療機器総合機構への相談内容に関する審議
平成30年10月~平成31年3月までの間の文献及び学会発表 (資料23-3)、 並びに平成30年度下半
期の医薬品医療機器総合機構への相談内容 (資料23-4) について報告された。
ゲムシタビン製剤の副作用である血管痛の発現頻度については、先発・後発間で有意差は認められ
ないものの、引き続き情報収集に努めるとの企業の回答があった。委員から統計学的に差がなくても、
臨床的に意味がある場合もあるので十分注視すべきとの意見がなされた。当該案件については、大学
病院等で臨床的な検証が進められていることが事務局より紹介された。
痔疾治療剤である大腸菌死菌・ヒドロコルチゾン配合軟膏について、先発と比較して後発でチュー
ブから絞り出せる量が少ないとの相談内容を踏まえ、事務局が情報収集することとなった。また容器
に関して、委員から、多様な疾患や年齢層の患者さんに配慮した適当な柔らかさのチューブである必
要性が言及された。
以上の内容について、了承された。
(5)その他
・厚生労働省監視指導・麻薬対策課から、ラニチジン塩酸塩における発がん物質の検出に対する国内
での対応状況について説明があった(参考資料1,2)。委員から医療現場での混乱を避けるために、
企業対応を統率するとともに、代替措置を明確にするよう指導して欲しいとの要望があった。監視
指導・麻薬対策課から情報発信の方法も含めて検討していく旨回答があった。
・厚生労働省医薬品審査管理課から、後発医薬品品質情報No.12の発刊について報告された
(参考資料3)。また、令和元年11月6日時点で、医療用医薬品最新品質情報集 (ブルーブック)作
成対象予定の後発医薬品のうち約65%について、データシートの作成・公表が行なわれていることが
報告された (参考資料4)。
・委員から、新たな品質課題に適切に対応できるよう、試験対象の選択や国研・地衛研のリソース活用
の見直しが望ましいとの意見が出された。
・感染症領域の薬剤の供給停止問題を受け、供給困難になった場合に臨床現場への影響が大きいキー
ドラッグについて、検討会で重点的に品質を評価していくことが望ましいとの意見が出された。
以上の内容について、了承された。
4.提出資料