ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)からの新型コロナウイルス(SARS-CoV-2)関連情報
http://www.bfr.bund.de/


コロナウイルス感染症(COVID-19)から自分の身を守るために対策を行う人が増加
More people protect themselves from coronavirus
03.04.2020
https://www.bfr.bund.de/en/press_information/2020/08/more_people_protect_themselves_from_coronavirus-244809.html

(食品安全情報2020年8号(2020/04/15)収載)


 「Bfr-Corona-Monitor」の第2回アンケート調査の結果(2020年3月31日)は、ドイツ国民の間に依然としてコロナウイルスに対する危機感が存在することを示している。

 コロナウイルスはドイツ国民の間で不安を増大させている。ドイツ連邦リスクアセスメント研究所(BfR)は2020年3月24日から、コロナウイルスに関するモニター調査「BfR-Corona-Monitor」を毎週行い、その結果を公表している(第1回は2020年3月24日に実施し510人が参加。第2回は3月31日に実施し500人が参加)。今週の調査の結果から、「自分の身を守るための行動を取っていない」と報告した回答者が先週より10%減少したことが明らかになった。BfRのHensel所長によると、回答者の78%がウイルス感染を防ぐために特別な注意を払っており、コロナウイルスがもたらすリスクが非常に明確に認識されていることが示されている。

「BfR-Corona-Monitor」結果(2020年3月31日)
https://www.bfr.bund.de/cm/349/200331-bfr-corona-monitor-en.pdf

 回答者が実施している予防策としては、引き続き「人込みを避けること」が最も多く報告された。しかし、先週と比較して、「マスクや手袋などの保護衣を身に着けること」が重要であるという認識が高まった。この「マスクや手袋などの保護衣を身に着けること」を報告した回答者は、先週の約6%から今週は16%へと増加した。「消毒剤の使用」を報告した回答者も増加した。また、新型コロナウイルス感染から自分の身を守ることができるかどうか分からないとした回答者は、先週から10%減少して29%となった。

 一方、ウイルスの封じ込めのための措置を支持したいとする回答者は減少している。行事の中止、旅行の制限および隔離措置については、依然として90%を超える人が適切であると考えているが、外出禁止令や接触禁止を許容する回答者は減少した。接触禁止については回答者の88%が適切と考えられるとしたが、外出禁止令を許容する回答者は67%に減少した。

 コロナウイルス感染の経路としては、「他者との接近」(79%)および「ドアノブへの接触」(63%)を引き続き有力視する回答者が多かった(図1)。しかし、食品についても感染経路の1つとして注目が高まっているとみられ、食品を介した感染リスクが高いとした回答者は、先週の12%から今週は18%へと増加した(図2)。現時点での知見によると、食品を介して感染する可能性は低く、このような感染経路があったとしても衛生対策を通じて封じることができる(下記Webページ参照、食品安全情報(微生物)No.7 / 2020(2020.04.01)BfR、No.4 / 2020(2020.02.19)BfR記事参照)。
https://www.bfr.bund.de/en/can_the_new_type_of_coronavirus_be_transmitted_via_food_and_objects_-244090.html


 図1:モニター参加者が認識している感染経路の可能性(2020年3月31日のBfR Corona-Monitor)
 「質問:あなたは以下の各項目が新型コロナウイルスへの感染経路となる可能性はどれくらいであると推定しますか?(選択肢は「1.非常に低い」から「5.非常に高い」までの5段階)」


 図2:モニター参加者が認識している感染経路の可能性(2020年3月31日のBfR Corona-Monitor)
 「質問:あなたは以下の各項目が新型コロナウイルスへの感染経路となる可能性はどれくらいであると推定しますか?(選択肢は「1.非常に低い」から「5.非常に高い」までの5段階)」に対する回答のうち「4.高い」と「5.非常に高い」の合計が占める割合(3月24日と3月31日の結果の比較)


 回答者のコロナウイルス感染症による健康影響への理解、および“認識”している情報量については、先週の結果と比べてほとんど変化がみられなかった。しかし、情報の入手先については、社会的接触による方法の重要性が低下している一方で、メディアを通じて情報を入手する回答者が顕著に増加しており、社会的接触の制限がこの一因として推測された。

 BfRは動的な状況変化を踏まえ、コロナウイルスに関するFAQの更新を継続している。

「BfR-Corona-Monitor」とは
 「BfR-Corona-Monitor」は、新型コロナウイルスのリスクに関するドイツ国民の認識について今後も定期的に行われる予定の標本調査である。無作為に選出された住民約500人に対し、感染リスクに関する認識、および自身が特に気を付けている予防策について、毎週火曜日に電話で聞き取りが行われる。第1回の調査は2020年3月24日に実施され、今回は2回目である。調査データの集計結果はBfRのホームページで定期的に公開される。調査方法およびサンプリングに関する詳細情報は以下のWebページから入手可能である。



国立医薬品食品衛生研究所 安全情報部