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LastUpdate:2016/3/31
 
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第4節 暴露疫学等調査
第4−1節 生体暴露量等

〔取組の成果〕
以下の物質について、生体試料(血液、尿、毛髪等)中の濃度を測定した。
ビスフェノールA、クロロベンゼン類、パラベン類、フタル酸エステル類、ベンゾ(a)ピレン、PCB、ダイオキシン類、クロルデン、有機スズ化合物、4-ノニルフェノール、ハロゲン化炭化水素系殺虫剤、有機リン系殺虫剤、有機塩素系殺虫剤、有機フッ素系化合物、植物エストロゲン、重金属、揮発性有機化合物
(なお、物質ごとに研究対象者、測定に用いた生体試料等が異なっている。)
クロルデン以外の上記物質は、いずれかの生体試料中に含まれており、環境中暴露の点から問題となりうる。
生体暴露量を検討していく過程で、ビスフェノールA は代謝されて血中から速やかに消失すること、また、フタル酸エステル類は体内でモノエステル又はジエステル型に代謝されることが明確になった。
〔今後の取組〕
引き続き、内分泌かく乱作用が疑われる環境汚染化学物質について、同一母体の複数部位からの生体試料(さい帯血等を含む)の採取及び濃度分析データの蓄積を行うことにより、母体からの暴露の実態を解明する。
これらの物質の生体内に存在する量(体内負荷量)の範囲で、生体にどのような作用を発現するのか否か、代謝・解毒の全容も含めて明らかにする。
今後、生体試料中の分析を進めると同時に環境中の値(バックグラウンド値)を経時的に観測することによって生体暴露の影響を評価する。

第4−2節 疫学研究
〔取組の成果〕
疫学研究の現状について、文献的考察を行った。
有機塩素系化合物などの化学物質と、乳がん、子宮体がん、卵巣がん、前立腺がん、精巣がん、甲状腺がんについての疫学研究からの報告が複数あったが、関連があることを支持するには、依然として知見は不十分である。
高濃度のPCB 暴露が、甲状腺機能に何らかの影響を及ぼしているという複数の研究があるものの信頼性の高い報告はなく、関連があることを支持するには、依然として知見は不十分である。一般環境レベルでのPCB 暴露やその他の有機塩素系化合物との関連について言及するには、依然として知見は不十分である。
器官形成にかかわる問題のうち、尿道下裂については、1 件のコホート研究でDES による有意なリスクの上昇が示されていた。停留精巣については、1 件の介入研究でDESによる有意なリスクの上昇が示されていた。DES については、器官形成への影響があるとする限定的な報告があるが、関連があることを支持するには依然として知見は不十分である。その他の化学物質については、疫学研究はほとんど存在せず、関連について言及するには、依然として知見は不十分である。
有機塩素系化合物による小児神経発達への影響については、複数の地域でのコホート研究からの報告があるが、他の要因による影響や、暴露・神経発達双方の評価指標や評価時期などが多様であり、関連があることを支持するには、依然として知見は不十分である。
精子数低下については、化学物質の高濃度暴露群での質の低下について複数の報告があったが、精巣毒性による影響である可能性があり、内分泌かく乱作用によることの関連を支持するには、依然として知見は不十分である。
免疫機能への影響についての検討を今回追加したが、成人期の高濃度PCB 暴露がアレルギーのリスクを増加させるという報告や、胎児期乳幼児期の一般環境レベルの暴露がアレルギーのリスクを減少させるという報告があり、結果が一致せず、関連について言及するには、知見は不十分である。
日本人を対象とした疫学研究の報告は、依然としてほとんどない。
〔今後の取組〕
日本国民の代表となりうる対象者を設定し、
・内分泌かく乱作用が疑われる化学物質の暴露
・その影響が懸念される疾病
についての現状把握と継続的な監視を行う。
主として日本人を対象とした、生体試料の収集と利用を含めた、疫学の方法論に基づく相当規模の研究を進める。
いわゆる内分泌かく乱作用が疑われる化学物質のヒト健康影響に関する研究を継続的に総括(刊行論文のレビュー及び更新)し、その成果を継続して広く国民に周知する。

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