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内分泌かく乱化学物質の健康影響に関する検討会
中間報告書追補その2

 

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  〔考察〕
 DES と精巣がんの関連については、最近の前向き研究の結果では統計的に有意なリスクの上昇はみられていない。症例対照研究でも一致した結果は得られていない。これらの文献からはDES 暴露が精巣がんのリスク要因になると評価することは困難である。
 有機塩素系化合物に関する分析疫学研究としては、症例対照研究で症例の母親の暴露との関連が報告されており、胎児期の胎内暴露が関与するかどうかについて検討が必要である。
 農業従事者や農薬散布者と精巣がんについては、前向きコホート研究では農薬散布者の相対危険度が1.1-1.6 の範囲であり、いずれも有意ではなかった。職業とがん罹患全般に関する研究は本報告で取り上げた文献以外にも数多く存在すると考えられるが、それらが今回の文献検索で挙がってこなかったことは精巣がんに関する結果が陰性であるためとが考えられる。このことを考慮すると、農薬の暴露と精巣がんの関連は小さいと考えられた。しかし、残留有機塩素系化合物として無視できないPCB、DDT、HCH、HCB などの物質を特定した研究は皆無であり、これらの研究の必要性がある。
 また、有機塩素系化合物以外の物質についての報告もほとんどなかったが、そのような物質の中にはビスフェノールA などのようにアンドロゲン様の作用を持つものもあり、精巣がんリスクとの関連を評価する研究が必要である。
 以上のように、DES 以外の化学物質と精巣がんとの関連についての疫学研究の知見は現状ではほとんどなく、因果関係を評価することは不可能であった。今後、化学物質と精巣がんとの関連について研究を行う必要がある。

〔結論〕
 内分泌かく乱化学物質と精巣がんについての疫学研究をレビューしたところ、有機塩素系化合物の胎内暴露に関する研究が1 件あり、有意な関連がみられていた。DES については、有意に精巣がんリスクを上昇させるという結果を示した研究はなかった。DES 以外の化学物質と精巣の関連に関する研究はきわめて乏しく、両者の因果関係を現時点で評価することは不可能であった。この点については信頼性の高い研究デザインを用いた研究の必要性が示唆された。

〔参考文献〕

〔表2-5-1 内分泌かく乱化学物質と精巣癌に関するコホート研究〕

 
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