3−8 クロルデン
○
trans-ノナクロルが63%(0.06〜0.17ppb)に、cis-ノナクロルが17%(0.03〜0.05ppb)に検出されたが、ヘプタクロロエポキシド、オキシクロルデン、trans-クロルデン及びcis-クロルデンは、いずれの試料からも全く検出されなかった。1)
3−9 有機スズ化合物
○
トリブチルスズは、測定法によって差があるものの、毛髪試料の33〜77%に検出(5〜44ppb)され、同一家族から高濃度に検出(41〜45ppb)された例を平成11
年に報告している。1)
○ 剖検症例を用いた暴露状況は、以下のように要約される。モノブチルスズ、ジブチルスズ及びトリブチルスズは、肝臓湿重量(27
例)当たりそれぞれ6.0〜28、6.5〜71、検出限界以下・3.4 ng cation/g であった。また、胆汁(17
例)では、それぞれ、6.0・21、1.0・13、検出限界以下・3.0 ng cation/g であった。5)
3−10 4-ノニルフェノール
○ (分析ガイドラインによる方法、定量限界 5 ppb)
新たに採取されたさい帯血、母体血、母乳及び腹水の試料における、分析ガイドラインによる方法(対象症例数 221
例)での検討では、血液中からの検出は17例で、最大25.0
ppb、特に母体血とさい帯血においては検出されなかった。腹水中からの検出は9例で、最大19.0ppb であった。2)
3−11 ハロゲン化炭化水素系殺虫剤
○ (ヘッドスペースガスクロマトグラフ法(HS-GC 法);定量範囲:0.5〜500μg/mL検出限界:0.5μg/ml)
生産工場の男性従業員(暴露作業者)及び非暴露対照者において、尿中又は血中の代謝物量測定による暴露量評価を行った。
生産工場の男性従業員の尿中臭化物イオン濃度測定結果は、原体取り扱い作業者(n=13)で15.9±7.7μg/mgCRE(範囲は5.7-35.0μg/mgCRE)、充填作業者(n=22)で15.6±6.2μg/mgCRE(範囲は7.1-30.3μg/mgCRE)と、非暴露者(n=96)8.9±3.5μg/mgCRE
に比べ高い結果が得られた。同様に、平均血清中臭化物イオン濃度は、原体取り扱い作業者で12.9±4.7μg/mL(範囲は6.3-21.2μg/mL)、充填作業者で12.2±5.0μg/mL(範囲は5.0-25.3μg/mL)と、非暴露者(n=97)の値5.2±1.6μg/mLに比べ有意に高値を示した。測定された暴露レベルは、過去14
年間ほぼ同様で、生産工場従業員は一般生活者集団に比べ代謝物量からみて暴露量が多いが、集団として有意な生殖次世代影響は見いだされなかった。7) |